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書籍紹介・古楽一般

データは題名、著者名・訳者名、第1刷発行年月日、出版社、ISBN番号、 値段(その値段で売っていた時期)、オススメ度の順に並べています。 書籍の順番は一応五十音順です。


"A Dictionary of Early Music -From the Troubadours to Monteverdi-"

Jerome & Elizabeth Roche
1981年
Faber Paperbacks
ISBN-0-571-10036-8
A$10.95(1986年)
★★★★☆

バロック以前の音楽と言うものは、結構分からないことだらけなモンで、 とにかく語彙や人名が分からないことが多いです。 こう言った問題を解決してくれるのがこの辞書です。 本書がカバーする範囲は書名にもある通り、 バロックが始まる頃のモンテヴェルディまでで、 バロック音楽の勉強にはあまり訳に立ちませんが、 ルネサンス音楽を究めるなら常に傍らに置いておきたい一冊です。

「音楽の形式」

アンドレ・オデール 著、吉田秀和 訳
1973年11月10日第1刷発行
(株)白水社
550円(1975年)
★★★★★

この本を読むと、 音楽大学ではこういう事も教えているのだろうとぼんやり想像できます。 しかし、アマチュアだろうと、 どんなレベルであれ西洋音楽を演奏する人には目を通してもらいたい本です。 どちらかと言うと中世などの古い音楽の形式の説明が多いです。 CD鑑賞目的であっても、こういう知識を得れば、 単なる音楽に対する理解が多少なりとも深くなるのではないでしょうか。

「古楽とは何か -- 言語としての音楽」

ニコラウス・アーノンクール 著、樋口隆一・許光俊 訳
1997年7月10日第1刷発行
(株)音楽之友社
ISBN4-276-20370-8 C1073
2,600円(1997年)
★★☆☆☆

あのエキセントリックな古楽界の巨匠 (と言われている割にはあまりメジャーではない気が…)アーノンクールの本です。 内容はいろんな論文や講義録の寄せ集めで、 国内の発行は比較的最近にもかかわらず、 ずいぶん古めかしい内容(というか新鮮みのない内容)です。 と思っていたら、やっぱり原著の発行はずいぶん古く(1984)、 イマサラ感は否めません。

「古楽のすすめ」

金澤正剛 著
1998年8月15日第1刷発行
(株)音楽之友社
ISBN4-276-37080-9 C1073
1,500円(1998年)
?????

どちらかというと、 読み物的な本で予備知識のない人もとっつき易いと思います。 まだ読了していませんので、これ以上の言及はできません。

「古楽の復活 -- 音楽の「真実の姿(オーセンティシティ)」を求めて」

ハリー・ハスケル 著、有村祐輔 監訳
1992年10月20日第一刷発行
東京書籍(株)
ISBN4-487-75317-1 C1073
3,500円(1992年)
★★★☆☆

古楽が如何に復活したか、 かの有名なドルメッチ家族を中心とした動きや、 当時の古楽に対する誤解や演奏の変遷などが事細かに記述してあります。 歴史的な読み物としては面白いのですが、あんまりパッとしなかった記憶があります。 先鞭の人達は苦労したんだというのが良く分かります。

「新版クープラン--その家系と芸術」

松前紀男 著
1997年4月20日
(株)音楽之友社
ISBN4-276-22206-0 C1073
3800円(1998年)
?????(まだ読書中)

当時はサン・ジェルヴェ教会のオルガニストとして有名だった、 クープラン一家とそれを囲む当時の音楽事情が書かれています。 クープラン一家の伝記に終始せず、当時の鍵盤楽器の音楽の様式などについても 言及してあり、勉強になります。 フランスバロック音楽に興味のある鍵盤楽器奏者にはお勧め。

「バロック音楽」講談社現代新書 291

皆川達夫 著
1972年11月20日第1刷発行
講談社
ISBN4-06-115691-8 C0273 700円(1999年)
★★★★★

私が生まれて初めて読んだバロックに関するの書籍です。 父親の蔵書だったため、この書籍紹介のために改めて買い直しました。 「現代新書」なだけあって内容は分かりやすく、 バロック音楽の初心者には特にお勧めです。

ただ、1972年の本ですから、 以下に挙げる新しめの礒山さんの「バロック音楽」の方が良いかも知れませんが、 どちらも購入して間違いはないでしょう。 裏表紙に見える皆川さんが若々しい(45歳!)のもポイントです。

「バロック音楽 -- 豊かなる生のドラマ」

礒山雅 著
1988年3月20日第1刷発行
日本放送出版協会(NHKブックス)
ISBN4-14-001570-5 C-1373
780円(1989年)
★★★★★

この本は、大学時代に一般教養で取っていた 市川信一郎さん(というか先生)の音楽の授業のテキストでした。 ちなみに、市川さんは大学のサークルの大先輩でもあり、カナリお世話になりました。

何故か高校時代に入手していた、 NHK市民大学講座『バロック音楽』のテキストにそっくりだなと思っていたら、 この本はそれに基づいていたそうな(前書きに「少なからぬ補筆を行った」 とあるから、同じということはないでしょうけれど)。

これはバロック音楽の初心者向けの良書です。お勧めの演奏ガイド、参考文献、 バロック音楽マニアにとってはありきたりの内容だと思われるかも知れませんが…。 なお、お勧め演奏ガイドは「I教授の家」で更新されていますので、 そちらを御参照下さい。

「バロックの音楽」西洋音楽史 2、白水 u ブックス1023

フリードリヒ・ブルーメ 著、和田旦・佐藤巌 訳
1992年6月20日第一刷発行
(株)白水社
ISBN4-560-07323-6
960円(1992年)
★☆☆☆☆

何かバロック音楽を難解な言葉で書き表すとこんな感じになるのかな、 と思わせるような本です(訳の所為かもしれませんが)。

「バロックの社会と音楽 <上> イタリア・フランス編」

今谷和徳 著
1986年10月31日第一刷発行
(株)音楽之友社
ISBN4-276-11055-6 C1073
2,800円(1991年)

「バロックの社会と音楽 <下> ドイツ・イギリス編」

今谷和徳 著
1988年10月1日第一刷発行
(株)音楽之友社
ISBN4-276-11056-4 C1073
2,680円(1989年)
★★★★☆

風邪でふせっていた時にあまりにも面白くて、一気に読んでしまいました。 そのおかげで、内容を良く覚えてません。 繰り返し読まないとダメですネ。もう一回読んで報告する予定です。

「ルネサンス」新書西洋史4 講談社現代新書314

会田雄次 著
1973年7月28日第一刷発行
(株)講談社
ISBN4-06-115714-0 C0222
580円(1993年)
★★☆☆☆

ルネサンス時代と言うのは意外と馴染みのない時代で、 当時の思想や生活などを知る上で読んでおきたいと考えて購入しました。 が、固有名詞と漢字が多くて予想以上にネムく、読了に至っておりません。 また機会が有れば挑戦してみようかと考えています。


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