癖を見破ってみる。
個人的にあまり「文系・理系」という区別の仕方は好きではないのだが、私の職場環境はいわゆる「理系」に分類される人がほぼ全員を占める。まぁ、研究所とはそんなところだ。逆に研究所が寿司職人で溢れていたらそれはそれで問題だろう。想像して欲しい。「研究所」と表に書かれた建物を入ると、すがすがしい酢の香りが立ち込め「へい、らっしゃい!何にいたしましょ」と声をかけられる。しかも、そんな人がうじゃうじゃいるのだ。ちょっと楽しいか。
そんな話はさておき、職場の人たちは研究職という職業柄のせいか、「こだわり派」な人が多い。(あくまでも私見であるが)こだわり派は突き詰めて物事を考えるから、その故にちょっと世間とはちょっとずれた感覚の持ち主が多いような気がする。特に、その「ずれ」は癖として表れることが多い。例えば、
- 15kmも離れた自宅からママチャリで毎日通う人。
- 新しい物好きで、気に入ったガジェット系のものは片端から購入してしまう人。
- 昼飯も「もう食えませんよ」とか言いながら残すくせに、自席に戻ってスナックをばりぼり食う人。
- 議論している最中に腹をもみ続ける人。
などである。
本音を言うと、これはこれで楽しかったりもするのだが、よくよく考えてみると私も根っからの理系。それに「朱に交われば赤くなる」とも言うし。すなわち、私自身もずれているのではないか。気になる。疑心暗鬼にとりつかれて、横で腹をもみ続けている同僚Fさんに訊ねてみたのだ。
もみもみ。
「私って変な癖ありますかね。」
もみもみもみ。
「あんまり目立ったものはないかな。う~ん、そうだなぁ、強いて言うならば時々奇声を発しているかな」
もみもみもみもみ。
なんと、計算機に向かって奇声を発しているとのこと。
「しまった!!!!」
と、周りの人たち全員が振り返ったのだ。なるほどそういうことか。