愚息(仮名)と散歩してみる。
今週末はまとまった時間が取れたので、息子と江戸東京たてもの園へ散歩に。この施設は都立小金井公園内にあり、昔は「武蔵野郷土館」という名前だったが、いつの間にか江戸東京博物館の関連施設として模様替えしていた。しかも、「千と千尋」という映画のモデルになった建築物(風呂屋や古い都電の車両)などが展示されていて一躍有名になった。
小金井公園に寄ることがあっても、なかなかたてもの園の中までは足を踏み入れることはないのだが、なんとなくふらっと訪れた。園内の紅葉は見事に色づき、落ち葉もたくさん落ちていて実に良い雰囲気であった(掃除が大変そうだったが)。個人的には春や夏の暖かい季節よりは、寒々とした冬の雰囲気のほうが人気のない「博物館」的な雰囲気が逆に魅力的に感じた。テーマパークや都内の百貨店のように騒々しくもなく、安価に何時間も過ごせる良い空間であることを再確認。大人400円という入園料は決して高くない。
園内のどの建物の中に入っても、人が住んでいないため、当然のことながら寒い。よく考えてみれば、今でこそ2重ガラスの窓など一般的に使用されるようなってきて断熱効果の高い住宅が増えてきているが、つい200年前までは障子一枚を隔てればまるきりの外という状況で暮らしていたのだ。
便利な時代で生きているということは実に結構なことだが、200年前には皆が当たり前のように持っていたが、いつの間にか失ってしまったものはないだろうか。息子の小さな手を握って歩きながら、しばし考えた。
冬の間に、またここを息子と再訪しようと思う。