スウェーデン風魚スープを作ってみる。
(1年だけであるが)滞在した感じでは「スウェーデンに美味いものなし」というのはあながち間違った表現ではないという印象がある。「なにしろ腐ったニシン(シュールストレミングsurströming)を焼酎で流し込んで食べるような人種だからな」というのは言いすぎだろうが(そもそも日本人こそ腐った豆やクサヤを食べる人種だし)。
しかし、ストックホルムを訪れる知人を必ず案内していたのがHötorget駅(ノーベル賞の授与で有名なKonserthusetがある)のすぐ近くにある地下の市場である。ここのKajsasという店のfisksoppa(まんま「魚のスープ」の意)は大変美味であり、魚を好んで食べる北欧の代表料理といっても過言ではないだろう。御主人様(仮名)がどうしてもそれを食べたいということで、挑戦してみることにしたのだ。
問題はレシピである。やはり探してみると日本語でのレシピは皆無で、英語で見つかるのもイマイチぴんとこない。やっぱりストレートにfisksoppaで検索すると一番最初にぶち当たるレシピのサイトが一番近いようだ。あとは、こちらも参考にしながら作ってみた。ただし、両方ともニンジンとジャガイモを入れているのだが、私の記憶ではKajsasのスープには入っていなかったと思う(単に煮込みすぎで溶けていただけかもしれないが)ので、今回のレシピからは省いた。
レシピ(4人前)白身魚(タラ・コダラの類)の切り身:600g
エビ:200~400g
ムール貝(アサリで代用可):100g
刻みタマネギ:2個
刻みニンニク:3片
オリーブオイル:大さじ2
水:1リットル
乾燥タイム:小さじ2
ホールトマト:1缶
サフラン:少々(高いがあまりケチらないほうが良い)
(辛口)白ワイン:250ml
オレンジの絞り汁:1個分(オレンジジュースで代用可)
ウイキョウ(フェンネル):少々
塩・胡椒:少々Crème fraiche:200mlぐらい(サワークリーム150mlとマヨネーズ50mlで代用可)
ニンニク絞り汁:1~2片分
塩:小さじ1(飾りつけ用の新鮮な生タイム:1枝)
作り方:まずみじん切りにしたタマネギとニンニクをオリーブオイルで数分炒め後に、ウイキョウを加えて更に数分炒める(ウイキョウは手に入らなかったので入れなかった)。水、魚ブイヨンとタイム小さじ1を加える。次にホールトマト(カットトマトよりも美味しいのでこちらがお勧め)を包丁で小さく切って鍋に入れる。塩とコショウで下味をつけて15分煮る。サフランとワインを入れて更に15分煮込む。
この間にCrème fraitche(ヨーロッパで一般的なクリームの発酵させたものらしいが、国内で手に入れるのは絶望的に難しいと思われるのでサワークリームとマヨネーズで代用)とニンニクの絞り汁(チューブ入りのおろしニンニクで代用)、塩を混ぜ合わせておく。このとき、ニンニクの量で辛さが決まるので、適宜調整すること。
次にエビとオレンジ、ムール貝を煮立った状態のスープに入れて5,6分煮る。最後に一口大に切った魚とオレンジの絞り汁を入れて、塩コショウして、タイム小さじ1を入れて完成。生タイム(手に入らなかったので省いた)とクリームを添えて、パンと一緒に頂く。
行き当たりばったりであったが、以上の作り方でなかなかの再現度で作ることができた。超ニンニク料理なので、直後に何か重要な用事がある場合にはお勧めできないが。Kajsasのfisksoppaが恋しい人(極少数派だろうが)、試してみてはいかが?