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Piazzolla: Pugliese (Finally Together)

★★★★★(セクステートによる演奏の決定版)
Piazzolla_Pugliese.jpg
1989年にオランダに於いて、同じくモダンタンゴの大家のプグリエーゼと共に、同じステージで演奏したライブ録音2枚組。一枚がプグリエーゼのオルケストラティピカ、もう一枚がピアソラのセクステート(六重奏団)が中心となっている。以前は「Finally Together」という名前でカリカチュア風のジャケットをまとって発売されていたが、廉価版として2枚まとめて再発売された(値段は安いが「海賊版」ではなく「廉価版」である)。ピアソラの音楽人生最後期に結成されたセクステートの演奏としては最良の出来だと思われる。録音も優れており、舞台・客席の様子が手に取るように分かる。
セクステートは、バンドネオン×2、チェロ、ピアノ、コントラバス、エレキギターの編成で、重いリズムが特徴的だ。ピアソラ以外のメンバーは、Daniel Binelli (bn)、Jose Bragato (vc)、Gerardo Gandini (p)、Horacio Malvicino (g)、Hector Console (b)。ここに収められた全ての演奏は白眉であるが、特にLuna(ルナ)は密度の高い名演。途中でピアソラ自身がページをめくり損ねて演奏が止まってしまい、曲が終わったと勘違いして拍手を始めた聴衆を制するために"I forgot to open the page!"とMCを入れるのが惜しい。ところが、聴き込むうちにこれも味のうちと思えてくるのが不思議。
プグリエーゼ盤、ピアソラ盤の両方とも最後のトラックとしてLa Yumba(ラ・ジュンバ)~Adiós Nonino(アディオス・ノニーノ)のメドレーが収められているが、中間部のガンディーニのラ・ジュンバのメロディをちりばめたピアノソロを経由してプグリエーゼのオルケストラティピカとピアソラのセクステートの合奏でアディオス・ノニーノが始まる瞬間は、最高のカタルシス。

この内容でこの値段は絶対お得ですよ、奥様。

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武蔵野在住の不惑研究者の備忘録。 息子と娘に嫌われないことを目標に日々過しています。

ちなみに登場人物はほとんど匿名ですが、 「御主人様(仮名)」とは私の妻で「愚息(仮名)」は息子のことです。

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