何とか公聴会をクリアしてみる。
朝からそわそわしっぱなしだったのだ。いよいよ公聴会である。さすがに本日は休暇をとったのだが、昼食もろくすっぽ喉を通らない(後にH先生には「hiwaもそんなことあんだなぁ~」と言われた)。
印刷屋に電話をしてとりあえず盆休みの期間も製本をやってもらえそうだという確認をした後、荷物を持って車に乗り込んだのだ。発表用のノートPC、デモ音を再生するための卓上スピーカ、手を入れた論文草稿5部(主査・副査の先生方向け)、回覧用の論文・別刷り集、聴講人数分程度の要旨・業績表、と相当な荷物である。しかも長梅雨ながらも今日は久々に晴れ。こんなたくさんのモノを持って強い日差しの中、スーツを着て電車で移動したら汗まみれになってしまう。ということで、車で移動することにしたのだ。こういうときは大事をとって公衆移動手段を使うのが常識ではあるが、我が家から大学までの移動時間は都心を回るルートで最短が1時間半。大荷物を持って大学にたどり着いたら力尽きて、発表がぐだぐだになってしまったなんていう事態は避けねばなるまい(駅から15分歩いた後の仕上げが急坂だし)。一応OBであるから、学生のときとは違ってイキナリ車で乗り付けても案外簡単に入構許可証が貰えるらしいので活用せねばなるまい。なんと言っても中年だからな。
ちょっと調べてみると、さすが「公聴会」と名がつくだけあって学部のwebでも開催する旨が(一応全世界に日本語で)アナウンスされていたようだ。が、結局聴きにいらして下さったのは、主査・副査の先生方以外は2名のみ(O助手とK客員教授)。主査のS先生も「本当に重要なのは受理申請時の専攻教員会議で、公聴会は儀式のようなものですから」とおっしゃる。
「まぁそういうものなのか」と思いつつも、予定時間からちょっと遅れること15:05、予備審査の時と同じ感じで始まり、予備審査の時と同じように最初のスライドの説明が伸び気味で後ろの方のスライドが詰まる発表(明らかに練習不足)を行った。持ち時間の45分はちょっとオーバーしつつも、質疑応答へなだれこむ。論文チェックの時から指摘されていたが、やはり私の発表からは今後の展望(つまり「明るい未来」みたいな)のビジョンが欠けているようで、そこら辺を重点的につっこまれた。実はそこは弁慶の泣き所でもあり、実は私の専門分野の研究はやればやるほど「暗い未来」しかないように思えてくるのである。だが馬鹿正直にそんなことを言ったら、先生方の評価も翻って折角ここまでやってきたのが全て水の泡と化してしまうので、そんなことはちょっとおくびに出しつつも尤もらしい回答を。儀式とか言いつつ20分以上の質疑応答だった。もっともとんちんかんな質問はなく、至極まともな「素朴な疑問系」の質問だったので、苦労はなかった。
で、直後、発表者本人は部屋から追い出され、残った先生方で最終審査。論文(特に結論)をきっちり修正するという条件つきながらも、「一応こいつには学位をやろうか」ということで落ち着いたらしい。めでたしめでたし、って安心している場合ではない。8/21までに「黒くて硬いの」を学事課に提出せねば、「博士取得見込み」のステータスのままだ。心して論文を修正せねばいけない。しかし、修正しても修正してもバグが見つかるというのはいったいどういうことなのか。