大磯砂を処理してみる。(3)
砂の処理もいよいよ最終過程。
ふるいを用いて砂の中からクエン酸カルシウムで真っ白にコーティングされたカルシウム片(貝殻・サンゴ片・石灰岩)を除去し、水で良く洗浄。その後、念のため煮沸したのだが、それには鍋は100円ショップで購入したアルミ鍋を用いた(100円ショップにはさすがに18cm径の鍋しかなく、12kgの砂を処理するには10回近くも同じことを繰り返さなければならなかったのはここだけの秘密)。ここまでやると、購入したばかりで袋を開封したときに感じた嫌な臭いも完全になくなった。
砂の中から拾い出したカルシウム片(隣は500円玉)。
水と一緒に流した以外にこれだけの量のカルシウム片が混入していた。これらの全てがゆっくりと溶け出せば水がアルカリ性になって硬度も上昇して当たり前だ。
クエン酸で処理するのが良いのかどうか振り返ってみよう。塩酸などの強酸を用いれば、拾い上げたりしないでもカルシウム片を全て溶かしきることが可能だろうが、危険物を扱わなければならないというデメリットがある。では食酢を用いて酢酸で処理する方法と比べてみると、酸の処理能力はクエン酸とほぼ一緒であるが、酢はにおいがキツいこと、酢酸カルシウム(Ca(CH3COO)2)は水溶性が高いため、どれだけ処理されたかが目視しにくいというデメリットがある。洗剤として薬店で販売されている無水クエン酸を用いるのは意外と悪くないのではなかろうか。