Piazzolla: Live in Colonia, 1984
★★★★☆(後期キンテートの定番ライブ曲大集合)
録音は1984年だが、比較的最近のリリース(2003年)だ。2枚組みと大変充実した内容な上に録音状態も良く古さを感じさせない。天使シリーズがすべて収録してあるし、「AA印の悲しみ(Tristeza de un Doble A)」を単体でも、録音・演奏ともに以前紹介した同名のライブアルバムに次ぐデキだ。Adios Noninosもしみじみとした良い演奏である。
後期キンテートの演奏としてはウィーンで同時期に収録されたライブ録音(別項で紹介済みのTristeza de un Doble A/AA印の悲しみとLive in Wien/ライブ・イン・ウィーン)に比べれば若干リラックスしているが、演奏は丁寧であるため物足りなさはない。ピアソラの流暢なアメリカ英語も聴ける。後期キンテートのライブ定番の曲が網羅されており、すべてが水準を満たした演奏・録音であるため、ウィーン録音の2枚、セントラルパークとこの一枚あれば後期キンテートの他のライブ盤は手を出さなくとも良いかと思えるほどだ。輸入版ではあるが比較的入手し易いはず(名盤ほど廃盤になる『ピアソラの法則』があるので油断はできないが…)。ピアソラ初心者にぜひお勧めしたい。