2000年11月後半の「がまんしましょう。」


00.11.16,Thu空腹をまぎらわせてみる。
00.11.17,Fri焦がしてみる。
00.11.18,Sat磨いてみる。
00.11.19,Sun備えてみる。
00.11.20,Mon実家から出社してみる。
00.11.21,Tueドラエもんと会話してみる。
00.11.23,Thu感銘を受けてみる。
00.11.24,Friお好み焼きを詰め込んでみる。
00.11.25,Sat割り勘負けしてみる。
00.11.26,Sun小さな幸せをみる。
00.11.27,Monドレッドヘアの人を観察してみる。
00.11.29,Wed風邪で休んでみる。
00.11.30,Thu試しにかぶってみる。

00.11.16,Thu 「空腹をまぎらわせてみる。」

職場に居るTさん(独身)は、普段から冷静沈着で、 仕事中もドキッとするようなことを冷静に 包み隠さず発言することで有名な人である。

話はかわって、明晩は何と『鍋とすき焼きで日本酒を呑もうの会』という、 実にオイシイとこ取りな宴会を繰り広げる予定だったりする。 自分たちで料理するため、食材の購入に余念がない。 ということで、Fさん、Mちゃん、御主人様(仮名)と私の4人で、 8時まで開店している安売り食材店を目指したのだ。 退社後の話であるから時間に余裕がない。当然、夕飯は後まわし。

結局買物が済んで「さぁ食事」という状態になり、 O街道沿いの中華料理屋に入ったのは8時半のことであった。 皆口々に「お腹空いたぁ」とつぶやき、 私なぞあまりの空腹感にめまいがする程である。

で、ここで登場するのが先のTさんである。 彼は夜も遅くなって仕事中にお腹が空いてくると、 机の下で他人に分からないように腹を揉むそうなのである。

彼が力説するところによると、腹を揉むことによって、 腹まわりについた脂肪分が糖分に変り、血液中に融け出して血糖値が上がり、 空腹感をまぎらわすことができるそうだ。 また、腹まわりについた脂肪分も減少するのでダイエット効果もあり、 一石二鳥の素晴らしい空腹感対策のようである。

ということで、席に座って店員がオーダーを取りに来るまでの間、 Tさんのことを思い出し皆に提案してみたのだ。 ちょっとお洒落な雰囲気の中華料理屋で、腹を揉みしだく4人(含女性)。

私が店員だったら絶対にオーダーなど取りに行きたくないのだ。


00.11.17,Fri 「焦がしてみる。」

いよいよ『鍋とすき焼きで日本酒を呑もうの会』の開催なのだ。

そのために、会社を3時で退社して山荘に乗り込んだのである。 結局、19:30頃には到着して下ごしらえを始めたのだが、 いかんせん開始時刻が遅いので、腹が減って来た。 昨日試した空腹感対策では、 あまり効果が期待できないことが判明したので、 つまみ用にシシャモにオリーブオイルを塗って焼くことにした。

ここまでは良かった。問題は、 ここのレンジには何故かハイカロリーバーナーが付いていたということである。

ちなみに「ハイカロリーバーナー」は、 「栄養素満点のバーナー」とか言う意味ではない。 「火力の強いレンジバーナー」という言う意味である。 着火してみると、案の定、最低の目盛に合わせても、 我が家の貧弱なガスバーナーの最大目盛と同じぐらいの勢いで ゴウゴウと燃え盛っている。だが炎を眺めていてもこの空腹感は解決できない。 ということで、試しに網の上にシシャモを置いて火にかけてみた。

塗付したオリーブオイルはあっと言う間に乾燥し、 物凄い勢いで焦げていくシシャモ。 あまりにも急激に温度が変化した所為か、内蔵が熔けて滴り落ち始めている。 「調理」というよりは「焼却」といった具合。

そんなモノも「美味しい」と思える自分に対して、 何ともやり切れない気分である。


00.11.18,Sun 「磨いてみる。」

昼過ぎにごそごそと起きだし、 会社が運営する保養所に向かうことにしたのだ。 山荘だから、チェックアウトの時間などを気にする必要もない。 気楽なモノだ。

実は昨晩の宴会は、この週末の社員旅行の前夜祭のようなもの。 今日こそは心して飲まねばならぬ。って、別に心する必要もない気がするが。 で、その社員旅行の前に、 保養所近くの駅で後から来る幹事のM君と待ち合わせをしていたのだ。 その待ち合わせの時刻は16:30。 だが、山荘を片付ける我々の前に、ひとつの問題があった。

昨日から登場しているハイカロリーバーナーである。

思い出して頂きたい。あまりの高熱に、シシャモの内蔵が溶け出す程のモノである。 シシャモから滴り落ちた魚脂が高さ50cm程に燃え上がる程のモノである。 遠くからでも「ごぉごぉ」という音が聞こえる程のモノである。って、もういい。

とにかく、レンジの周りに高温の炎にさらされて黒くこびりついている 溶けた内蔵と魚脂を呆然と眺めていたのが14:10。 洗剤をつけたスポンジで擦ってみても全くびくともしないことを確認したのが14:20。 クレンザーを付けたタワシで擦って初めて、 こびり付いた黒いモノが濃い焦げ茶色に薄くなるような気がしはじめたのが14:30。

ちなみに、このレンジ周りは山荘に到着した時はピカピカであった。

気を取り直して初期状態復帰の作業にとりかかる。 ひたすら磨いて磨いて磨きまくる。 男5人が「疲れたら次の人」といったように、交替しながら磨く。 何しろタイムリミットが課せられている。 晩秋の肌寒い気候にも係わらず、額に吹き出る汗。 やや冷汗も混じっているような気もするが、気にしてはいられない。

その甲斐あってか、まさにぎりぎり16:30に間に合うタイミングで作業が終了した。 何だかヤケに達成感があったのは私だけではあるまい。 ムサ苦しい男共の顔にはハレバレとした表情が。

もう、こういうぎりぎりの生活を送ることは、そろそろ卒業せねばイケナイのだ。


00.11.19,Sun 「備えてみる。」

目覚めると、床で寝ていたのだ。

布団じゃなくて床である。日本酒をガバガバ煽ったおかげで、 あっと言う間に気を失って、どうやら床で寝こんでしまったらしい。 上司そっちのけ。もちろん宴の様子など知るヨシもない。 何のために参加した社員旅行なんだか分からない。 しかも少々気分が悪い。いわゆる二日酔いである。

だが、大量に飲んだのは私だけではなかったらしい。 チェックアウト時には、デキの悪い蝋人形のように顔面蒼白な人達がぞろぞろ。 見ている方までもが何だか気持が悪くなってくる。

「紅葉狩り渋滞」に巻き込まれるのも嫌なのですぐに帰ることにした。 何台か車を連ね、高速まで、カーブが連続する山道を降りて行く。 それに従い、顔面蒼白な人達はますます青白くなって行く。

途中で休憩した折に尋ねてみた。

「具合悪そうですけど、大丈夫ですか?」
「ええ、まぁ、何とか。それに、コレもあるし。」

と、青い顔で爽やかに笑って彼が胸ポケットから取り出したのはビニール袋であった。 ゲロ袋を用意して同僚の車に乗り込む人達。 やさしいのかそうでないのかイマイチ不明な所が良い。


00.11.20,Mon 「実家から出社してみる。」

実家から出社したのだ。

というのも、昨晩は母が単身赴任している父の元に行ってしまったためである。 そうすると、仔犬(マル)が飢えてしまうので世話をしてやらねばならぬ。

仔犬とは言え、生後6ヵ月で既に22kg。かなりのハイペースで成長している。 ということは、2年後には小錦の体重を越えてしまう計算になる。 って、このネタはもういい。

よんだ?

ちなみに、上の写真はマルを抱え上げようとして、 あまりの重さにぎっくり腰になりかけている御主人様(仮名)の様子である。

しかし、何回撮っても黒のラブラドールというものは写真うつりが悪い。

全身が黒い毛皮で覆われている上に、 表情の手がかりとなる目と鼻が黒いのである。良く見ると睫毛もヒゲも全部黒。 肉眼で見ると目と鼻の位置は一応判別できるのだが、 写真になるとただの黒い生き物が写っているだけである。 何とも撮り甲斐のないペットである。


00.11.21,Tue 「ドラえもんと会話してみる。」

驚かないで頂きたい。なんと、我が家にドラえもんがやって来たのだ。

会社の後輩のMちゃんが里子に出してくれたのだ。 ちなみに、「Mちゃん」と言っても美人OLではない。 雨が降ろうが雪が降ろうが、 昼休みはグラウンドでサッカーボールを蹴飛ばしている、 むくつけき三十路男である。健康優良、独身、アルコール少々。

えーと、そんなことはさておき、ドラえもんと言ったら、 あの猫型ロボットである。何しろ、四次元ポケット付きである。 こんな便利なものを里子に出すなんて、なんて太っ腹な。

と言うのは真っ赤な嘘で、早い話が音声認識付きリモコンである。 その名も 「ドラえコン2」

もちろん声はあの大山のぶよさんのモノで、 話しかけるとボタンを押すことなくテレビの操作ができるらしい。

と言うことで、早速我が家のコタツの上に設置した。もちろん、彼に呼びかける時は、

「ドラえも〜ん」

と名を叫べば良い。簡単である。そんなことは、 30年も前から決まっていることである。そこで「テレビ!」やら「8」とか叫ぶと、 テレビを点けてくれたりフジテレビにチャンネルを合わせてくれるようだ。

「ドラえも〜ん。」
「むにゃむにゃむにゃ。呼んだ?」
「テレビ。」
「え〜、分かんないよぉ。」
「テレビ!」
「え〜、分かんないよぉ。」
「テレビっ!」
「もー、うるさいなぁ。」

御主人様(仮名)と顔を見合わせる。 彼女の眼鏡に、こめかみに青筋を浮かべた自分が映っているのが見える。

うーむ、Mちゃんが里子に出した理由が分かったような気がした。


00.11.23,Thu 「感銘を受けてみる。」

呆気にとられたのだ。

一緒に演奏している仲間が出演している演奏会を聴きに、 所沢まで出かけたのだ。バリトンが歌うバロック時代の歌曲に、 リコーダーとテオルボ(リュート)とチェンバロの伴奏。 プログラムの代りに手渡されたのは、CDぐらいのサイズの絵本。 なかなかの斬新なアイディアである。

と、ここまでは良かった。 バリトンの歌い手が、なんとパジャマで舞台に登場して来たのだ。

そう。「♪ぱぱっぱ、ぱっぱっぱじゃまじゃま」のパジャマである。

って言って分かる人は、かなりのNHK教育テレビ通だろう。 この番組(というかコーナー)、 つい先日会社をサボってごろごろしながらテレビを見ていたら放映され、 「まだやっているのかっ」と食べていたモノを ぽろりと取り落とす程の衝撃を受けたのだ。 私がモノゴコロが付いた頃には既に放映していた記憶があるので、 これは意外と隠れた長寿番組だと思うのだが、えーと、そんなことはどうでも良い。

パジャマ姿で熱唱するむくつけき男。 異様に感銘を受けたのは歌の所為だけではあるまい。


00.11.24,Fri 「お好み焼きを詰め込んでみる。」

腹一杯なのだ。

久々に入った「吉四六」(きっちょむ)という、 吉祥寺にある8席ぐらいの小さなお好み焼き屋。

店の中には大きな鉄板が一枚あり、客はその鉄板を囲むようにして座る。 言わば全席カウンター席である。当然、自分で焼くのではなく、 ご主人が作ったモノをそのまま鉄板の上で食べるのだ。

お好み焼きは一種類のみ。具などを選択する余地はなく、 他にビールと烏龍茶ぐらいしかメニューにない。 お好み焼きも大判で、20cm×10cm×4cm程のサイズ。 「食事中のお話は御遠慮下さい」という張り紙の下で、 関西出身の御主人がひたすらお好み焼きを焼くという、かなり硬派な店である。

今日はほとんど客が居なかったので、ご主人と話す機会があったのだが、 イキトウゴウしてしまい、お好み焼き半枚分を追加して貰ってしまった。 ただでさえ大きなサイズである。もう満腹なのだ。食べきるのに四苦八苦する。

そうしたら、店を出る際に、「はい、お土産!」と言われてビニール袋を渡された。 中にはお好み焼き2枚分。

えーと、もうお好み焼きなぞ、見たくもない状態なんですけど。


00.11.25,Sat 「割り勘負けしてみる。」

夜に予定しているサークルのOB会まで、やることがなかったのだ。

あいにく御主人様(仮名)は外出中。と言う訳で、 昨日お好み焼き屋で貰ったお土産を食すことにしたのだ。 その勇姿を御覧頂きたい。

ちなみに、大きさの比較のために左下にワインの栓が置いてある。 如何に一枚のお好み焼きが巨大なのかが分かってもらえるだろう。

ご存知の通り、お好み焼きは既に昨晩飽きる程食べた訳だが、 今日も食べなければならぬ。 食べねばあのご主人の好意を無駄にしてしまうことになってしまう。 というより、生ゴミの収集は来週の月曜日まで待たねばならないため、 ゴミ箱の中で腐らせる訳にはイカナイ。

結局一枚分を、3時間程かけてなんとか完食したのだ。 なんだか一生懸命食べねばならない立場にいささか釈然としないが、 達成感だけはあったのでそれでごまかされておこう。

夜はOB会に出席。しかし、あんなモノを食べた後に、 食い物が入る訳がない。 しかも、相手は現役の貧乏学生どもばかり。

見事にワリカン負けして玉砕。とほほ。


00.11.26,Sun 「小さな幸せをみる。」

妻と都心に電車で出かける。

電車での移動は久しぶりである。

まだ11月だと言うのに街はクリスマス一色。

妹のアパートにお邪魔する。

お祝いとして銅製のケトルを。

マルの兄弟の黒ラブラドールレトリーバの仔犬ブランコに会う。

ここにも小さな幸せがある。


00.11.27,Mon 「ドレッドヘアの人を観察してみる。」

気づいたら、ドレッドヘアな人の隣に座っていたのだ。

帰りの電車である。スーツ姿のサラリーマンが多い時間帯であるからして、 ドレッドヘアというのは珍しいのだが、 座ってからかなりの時間が経過するまで気づかなかった。 しかもその人は、サングラスをかけていた。ドレッドヘア + サングラス。 反社会的な雰囲気を漂わせる組合せである。

「ドレッドヘア」と言って分からない人はいないとは思うが、一応説明しよう。 Imidas2000によると、髪がもつれて細い縄状になった髪型を指すらしい。 レゲーを歌う人達がしている髪型といえば分かりやすいか。 癖毛の対処策として、昔から黒人を中心に用いられてきたモノである。

ちなみに、あの髪型の最大の問題点は洗髪できないことだそうだ。 当然、洗わなければ匂いがするらしいのだが、 香水やら香料でごまかして生活しているらしい。 昔、西洋では入浴する習慣があまりなかったため、 香水が流行ったというのを思い出させる。 想像しただけで頭が痒くなってくる気がするのは私だけだろうか。 痒さに耐えきれず、もしゃもしゃやと掻きむしって、 その後に爪に溜ったモノの臭いをかぐ。ぷ〜ん。おえ。

えーと、思いきり脱線した。

で、私の前に座っていた、60代とおぼしき女性が立上りざまに雑誌を落した。 おっ、と思った瞬間、隣に座っていた、そのドレッドヘアな人は さっとその雑誌を拾い上げて、その女性に渡したのだ。 反社会的などころか、かなり親切な人ではないか。 見掛けで人を判断してはイケナイという良い例である。 こんな先入観に因われやすい自分が恥ずかしい。

だが、それよりも私の心を打ったのが、 その女性が落した雑誌が 「ゼクシィ」であったということ。何故60代の女性が、 あんなに重いブライダル情報雑誌を電車の中で読むのかについて、 色々な想像を巡らせてしまったのだ。

って、こんなに大凝な前振りで、 クダラナイ結末に落ち着いた自分の日記に嫌悪。


00.11.29,Wed 「風邪で休んでみる。」

どうも具合が悪い。

また風邪をひいてしまったようだ。 今月の頭に結構ひどいのを患っているので、 しばらくは無いだろうと気を緩めたのがいけなかったのか。

先月までとは打って変わり、今は仕事のペースがかなり緩やかだったりもする。 また新たな山が迫ってきているのを予感しないでもないが、 今日明日中に終わらせねばならない仕事はないし、 とにかく会社に行く気が起きないので、休む。

一回休み。


00.11.30,Thu 「試しにかぶってみる。」

昨日に引き続き、またもや会社に行くのを断念。 もはや駄目社員道まっしぐら。

外を見ると、かなりの良い天気である。何だかもったいないなぁ。 だが、会社を休んでいるぐらいの体調なのだから出かけるワケにもいくまい。 うーん、どうやったらこの天気を有効に使えるのか。

そうだ、洗濯をしよう。

だが、そもそも私は洗濯機の使い方を知らない。 普段から家事をしないのがイケナイとは分かっているのだが、 知らないものは知らないのだ。だいたい、私のやる家事といえば、 料理、食器洗い、風呂掃除と部屋を汚すことぐらいである。 って、最後のは家事ではないような気もするけど。 もはや駄目夫道もまっしぐら。

ということで、仕事に出ている御主人様(仮名)に電話したのだ。 洗濯機の操作方法を教えてもらい、無事に洗濯を終了。 って、私が洗濯したわけではない。洗濯機が洗濯してくれたのだ。 私の仕事はこれからだ。そう、洗濯物を干して乾かし、 そして取りこむという作業。Tシャツ、ジーンズ、長袖シャツ、靴下など。

そろそろ乾いたかな。おおっ。 そういえば、御主人様(仮名)のパンティーなどもあるではないか。 当然、私は男であるからして、なかなか女物の下着には馴染みがない。 かといって、しげしげと眺めるのも妙だ。ということで、試しにかぶってみる。 結構暖かいかも。

って、会社を休んで何をしているのだオノレは。


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Last modified: Sat Oct 27 22:05:00 LDT 2001
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