2001年9月の「北欧でもがまんしましょう。」


01.09.21,Friオーロラをみる。
01.09.24,Monフランス車を購入してみる。
01.09.25,Tue家の近くに停めてみる。
01.09.26,Wed車の装備を発見してみる。

01.09.21,Fri 「オーロラをみる。」

スウェーデンの北部の街、 キルナ(Kiruna)はストックホルムから飛行機で1時間半ほどのところにあるのだ。

というのも、また友人が来瑞したからである。 彼の要望は「オーロラが見たい」というものだった。 ところが、オーロラは高緯度のオーロラ帯に行き、 磁気嵐が活発な晴れの夜に辛抱強く待ち続けることでしか見ることができない。 つまり天気と地球を味方につけた運だめしのようなモノらしい。

ところが、天は我々に味方してくれた。というのも行きの飛行機で、 偶然隣席に座ったのはオーロラの達人、 牧野さんだったのだ。 彼が企画したオーロラ観測会のためにちょうど同じ飛行機で現地入りしたらしい。 素人相手に、地図を片手にいろいろとオーロラ観測のノウハウを教えて頂いた。 このノウハウを元に行動すれば、 気象条件と磁気条件がそろえば見ることができそうである。

ということで、昼間はレンタカーで走り回って観測できそうな場所の下見を行い、 午後8時よりキルナから20km西北に走ったキャンプ場で陣取って張り込み。 9月とはいえ、夜は気温が0度近くまで下がるらしいので、 スキーウェアに2重靴下という重装備である。あいにく天気は曇りがちだったが、 ちょうどそのキャンプ場の上空だけは晴れていた。 ピークは午後11時頃だったと聞いていたので、 地面に寝っ転がったりしながら気長に待つことにした (ちなみにこれは9月だからできることで、 10月になったら氷点下10度以下になるらしい)。

と、午後10時40分、北の空に縦に走る2本の光の筋が見えた。

その光の筋はカーテンを開くように左右に広がって行く。 間違いなくオーロラのブレイクである。 夢中で三脚に設置したデジカメで写真を撮りまくる。 御主人様(仮名)も同じく一眼レフで写真を撮りまくっている。 やがて光は輝度や形をめまぐるしく変えながら、地平線の近くの北の空を覆った。

Aurora photo
2001/9/21(Fri) 22:44, at Kiruna (Sweden)
Digital camera: Olympus C-2020Z
F2.0 (equiv.), 16 secs., ISO400 (equiv.)

広がった光は、だんだん弱くなりながらも頭上に位置を変えてきた。 だが、30分後にはその光も弱くなり、天の川と同じぐらいの輝度になった。 デジカメでも確認できるぐらいの光である(とはいえシャッター解放は16秒)。 肉眼では青白い光にしか見えなかったが、 デジカメの画像を見ると上部が赤く、下部が緑色で写っている。 感激もひとしお(ちなみに、 上の写真は下方の樹木が見えるぐらいまで微妙なガンマ補正を施してあります。 雲が少々オーロラを遮っているのが残念)。

と、悲しそうな声で御主人様(仮名)言ったのだ。

「途中、カメラのキャップつけたまま撮影してたかもしれない。」

な、何故。


01.09.24,Mon 「フランス車を購入してみる。」

さすがに車が欲しくなったので、購入することにしたのだ。

というのも、最近、冷え込みが結構激しくなってきて、 来る冬を考えると、なんだか弱腰になってしまう。 および腰というか。

そもそも私は冬が苦手なのだ。なのに、 何でこんな北緯60度などという高緯度の都市に来てしまったのか。嗚呼。

って、自分の希望で来たことを棚に上げるのはいいかげんにして、 えーと、とにかく車である。ストックホルムには1年しか居ないつもりなので、 新型の高級車を買う訳にもいくまい。ということで当然中古である。 というか、実は「1年しか居ないから」じゃなくて「お金がないから」中古なのだが、 少しぐらいは見栄を張らして頂きたい。

ここスウェーデンでは、「国産車」といったらVolvoやSaabだが、 私には昔から乗りたかった車があった。 Peugeotである。ちなみに読み方は「ぴうじょっと」でも 「ぺうげぉっと」でもなく、「ぷじょー」である。 実は私も初めて見たときは発音できなかったんだけどね。

何故かと聞かれても「なんとなく」としか答えられないのだが、 こちらにきてからは日本でトヨタ車を見るのと同じぐらいの台数を見るので、 WRCも速いし、やっぱりプジョーでしょ。 といった根拠のない理由でメーカーを選定してしまったのだ。

インターネットで物件を探し、 プジョーのディーラーが出品している中古車(95年式の306 XR)を見に行くことにした。 試乗までさせてもらったが、状態も悪くなく、そこそこ走りそうなので即決。

Peugeot 306 XR ('95)
「じゃくりーぬ号」

ちなみに、この車、エアコン無、窓は手動である。 今やどの車にもついていそうな装備が、実はついていない。 が、良く考えてみると、これからの季節、窓を開けて走る必要もないし、 高速道路は全て無料なので窓を開ける機会もない。 「いろんなところがよく壊れる」との評判のフランス車ではあるが、 そもそも自動でなければ壊れる個所も減るだろう。 最大の故障予防策である。えっへん。

というか、こんな消極的な理由で車を選ぶ自分が嫌。


01.09.25,Tue 「家の近くに停めてみる。」

車(じゃくりーぬ号)を購入したのは良いが、問題は駐車場である。

ここスウェーデンでは、日本と違って車庫証明はない。従って、 私の様な狭いアパート(車庫なし)に住む貧乏人でも車を持つことができるのだ。

が、駐車違反取締りはかなり厳しく、所定の時間を1分でも過ぎれば 取締り対象になり、違反切符(防水加工済)がワイパーに挟まると聞く。 ちなみに更に30分も経つと レッカー車で運ばれて行ってしまう場合もあるらしい。 あまり土地感がないので、 車を運ばれていってしまっては取りに行くこともままならないので、 それだけは絶対に避けなければならぬ。

ただ、ありがたいことに、ストックホルム市内の住宅地では、 ほぼ全ての道路で路上駐車が認められ、 昼間はきっちり駐車料金を払わねばならないものの、 夜には無料になることが多い。しかも、 住人駐車許可証を発行してもらった場合、駐車料金も割引になるようだ。 が、現在住んでいるところも、ばっちり市内のアパートである。 となると、当然夜になると道路の両側にびっちりと車が停まるのだ。

ちなみに、この「びっちり」というのは誇張でもなんでもなく、 「んもぅ、前後の車にぶつけながらほじくり出さないと絶対無理」 というぐらいの間隔である。ヨーロッパ名物の「びっちり縦列駐車」。 ヨーロッパ車に塗装されたバンパーの車が少ない訳は ここらへんにあるんじゃないかと思うんだけどね。

びっちり停まった車
我が家の近所の様子

という訳で昨晩は停める場所を探すのに結構走りまわったのだが、 結局交差点の近くしか見つけることができなかったのだ。9時前に車に戻ると。

おそらく読者の皆様全員が予想したとおりの事態になっていた。 しっかり違反切符がワイパーに挟まり、風でピラピラとはためいていたのだ。 車を所有して1日目にして駐禁。


01.09.26,Wed 「車の装備を発見してみる。」

アリテイに白状してしまうが、 実は「じゃくりーぬ号」、あまりよく見ずに購入してしまったのだ。

とは言え、もちろん見るべきところは見ているつもりだ。 インターネットを駆使して見つけた、 「中古車の買い方」とか「306の良く故障する部分」が書いてあるページを見て、 チェックポイントはくまなく調べた。これに関して全く問題はなかった。 それに部品交換履歴もしっかりしていたので安心して購入できた。

ところが、その車の装備とかについてはほとんど無知であった。 パワーステアリングは装備していたが、 エアコンはついていないし(でも暖房はついている)、 窓も手動。もちろんサイドミラーも手で調整するものである。 冬タイヤがおまけでついて来ただけでもありがたいと思い、 割切ってアシとしての機能に注目していたが、 あまり装備については期待していなかったのだ。

しかし、いろいろと子細に眺めてみると、 意外とワケの分らない装備がついている。 「ワケの分らない」などと言わずに取扱説明書を読めば良いのだろうが、 どうせスウェーデン語で読むのにひと苦労なのでほっておいてある。 それに、毎日ひとつずつボタンを押して見て、 新たな発見をしながら乗るのもなかなか味があって良いではないか。

ちなみに、昨日はホーン(警笛)を探すのにヒト苦労したが、 最後に発見したときは、 うれしくて無駄に「ぷーぷーぷーぷー」鳴らしてしまったぐらいである。 いやはや、方向指示スティック(ウィンカー)の先端のボタンだとは思わなかったよ (あとで知ったが結構有名な事実らしい)。

今日の発見は、コレ。

Unknown switch
サイドブレーキの根本、 日本車ならばコンソールボックスがあるであろう場所にある、 怪しげなボタン2個。とりあえず押してみると、ボタンのランプが点いたが、 それ以外は何も起きない。

しかし、しばらく運転していると、何やらお尻がほんのりとぽかぽかしてきた。 どんどんお尻の温度は上昇し、「ぽかぽか」はやがて「じんじん」に変わった。 あ、あちぃっ。

エアコンもない癖に、シートヒータを装備しているというのは実に北欧的なのだ。


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Last modified: Wed Oct 31 20:38:25 CET 2001