2001年11月の「北欧でもがまんしましょう。」


01.11.01,Thu引っ越すか悩んでみる。
01.11.02,Fri引っ越しを決心してみる。
01.11.04,Sunとうとう引っ越してみる。
01.11.06,Tue天気予報を気にしてみる。
01.11.07,Wedトイレの電球を気にしてみる。
01.11.08,Thu初雪をみる。
01.11.10,Satスパイクタイヤに換えてみる。
01.11.11,Sun季節はずれのドライブを楽しんでみる。
01.11.13,Tue全開にしてみる。
01.11.14,Wed日本食屋に入ってみる。
01.11.17,Sat煮豚を作ってみる。
01.11.20,Tue夕焼けをみる。
01.11.21,Wedおかしな夢をみる。
01.11.22,Thu防寒ジャケットを着てみる。
01.11.23,Fri滑ってみる。
01.11.25,Sun泡立ててみる。
01.11.27,Tueかぶせてみる。
01.11.28,Wed撮影してみる。

01.11.01,Thu 「引っ越すか悩んでみる。」

ここストックホルムには外国人研究者専用のアパートがあるのだ。

市内の癖して大量の緑に囲まれ、 5分も歩けば湖に出るような非常に恵まれた環境にある。 しかも、ちょうどストックホルムの3大キャンパスから程良い距離。 家賃も財団から補助が出るため、他の同程度のアパートよりは安い。

と、至れり尽くせりなのはよいのだが、それなりに問題もある。 ストックホルムは慢性的な住宅難で、ここも状況は全く同じ。 長いウエイティングリストを経由しないと入居できない。 私の場合もこちらに来ることが決まり、 すぐにウエイティングリストに載せるよう手配したにもかかわらず、 結局入居できたのはこちらに来てから半年も経った今月である。

もっとも、住み慣れた今の場所から、 残り半年のために引っ越すのも何となく馬鹿らしい気もするのだが、 家賃が安いとあれば背に腹は代えられない。大学に非常に近くなって便利だし、 駐車場もある。それに折角入居するチャンスを与えられたのだ。 大いに利用してやろうではないか。

しかし、私にとって、もっともクリティカルな問題があった。 というのも、このアパートインターネットに常時接続ではないのだ。

うーむ。引っ越すべきか引っ越さざるべきか。


01.11.02,Fri 「引っ越しを決心してみる。」

結局引っ越すことを決心したのだ。

インターネット常時接続は惜しいが、 どうせ我が家のインターネットはCATV経由なので大した速度も出ていない。

何より、今回思案しているところは、太陽が照るというのが非常に魅力的だ。 現在住んでいるところは、中庭向きの北向き、 そして1階なので全く部屋に日が差し込まない。 ただでさえ11月になってから非常に日が短くなっており、 現在の日照時間は6時間程度と言ったところである。

このまま日の短い北欧で越冬すれば、 皮膚が真っ白になり、視力はモグラのように退化し、 足は動かなくなり、などという物理的な問題はあまり生じないだろうけど。 とにかく精神的には問題が起きてもおかしくない。

問題は、引っ越すタイミングと手段である。

レンタカーでトラックを借りて、一気に引っ越すという手もあるが、 どうせそんなに荷物は多くない。 それに荷物を入れる段ボール箱自体がないのだ。 一気に荷造りすることすらままならない。 ジャクリーヌ号を駆使して ちまちまと小分けにして引っ越すしかないだろう。

ちなみに、スウェーデンでは11月は雨期とされているのだ。 天候の行き先はかなり不安です。


01.11.04,Sun 「とうとう引っ越してみる。」

とにかく寒いのだ。

特に週末は雨も降らず、引っ越しにはバンバンザイの天気だったのは良いのだが、 いかんせん寒かった。放射冷却のおかげか何だか分らないが、 晴れているというのに気温は摂氏5℃ぐらいしかない。 言っておくが、ストックホルムは公式にはまだ「秋」である。 その筈なのに、なんなのだこの寒さは。

などと、全世界に向けてヤツアタリを発信してもしかたがない。

気温で思い出したが、 今日引っ越した新居の冷蔵庫の中の温度を記念に計測してみた。 結果は12℃程である。

なんで温度が判ったかというと、 理科で使うような温度計を用いて測定したからである。 しかも、水を注いだコップに温度計を差し込み、 30分後に読みとるという念の入れよう。 これだけきちんとした条件で測定したのだから、間違いはないだろう。 どうしてこんな温度計が我が家にあるのかは不明なのだが。

よく調べてみると、牛乳の保存温度は10℃以下でないといけないらしい。 このままでは我が家の冷蔵庫はヨーグルト製造機になってしまう。 牛乳として使用するのならば、いっそのことベランダに置いといた方が良いというか。 しかし、よく考えてみると、夜には0℃近くまで気温も降りるので、 逆にそれは問題があるかもしれない。

ちなみに、冷凍庫の温度はきっちりと-18℃まで下っていた。 この冷蔵庫、故障しているのか正常に動作しているのか、 イマイチ判断が苦しいのだ。


01.11.06,Tue 「天気予報を気にしてみる。」

予想通り、朝起きると腹の具合が悪いのだ。

冷蔵庫に貯蓄してある乳製品に問題があるのは明らかだ。 相変わらず、我が家の冷蔵庫問題は解決されていない。

今朝も冷蔵庫内の温度を計ってみると、15℃であった。 現在の外の気温は4℃だし、昼間でも気温は6℃程度にしかならないので、 よっぽどベランダに置いておいた方が腐らないで済む。って、 それは先日も書いたばかりなのだが。 書いただけでは、腐敗の防止にはならない。 実力行使せねばならないのだ。

という訳で、乳製品を始めとするナマモノをクーラーボックスに放り込み、 ベランダに設置した。とりあえずの応急処置である。

しかし、通勤中に道路際を子細に観察すると、霜が降りた形跡がある。 ということは、夜間に氷点下まで気温が下っている可能性が非常に高い。 ちょっと待て。大切な乳製品が凍ってしまう。すなわち、 朝食に私の大好物のミューズリが食えなくなってしまうコトである。 それは困る。

ちなみに、ミューズリ(Müsli/Muesli)とは、 元来スイスで牧童が食していたシリアルの一種で、 ドライフルーツを混ぜた押し麦(押して平たくして乾燥させた麦)に、 牛乳をかけて食すものである。繊維質が非常に多く含まれているようで、 健康にも良いらしい。個人的には堅い押し麦をガシガシと食べるのが快感なのだが、 コーンフレークなどに慣れてしまった方々にはあまりお勧めできないかもしれない。

と書いた後、 ちょっと調べたら、前日から牛乳に浸して置くのが正しい食べ方らしい。 ということは、私は15年以上も食べ方を間違えていたのかっ。 ショックを受けております。

いずれにせよ、 天気予報(特に気温)が異常に気になる今日この頃なのだ。


01.11.07,Wed 「トイレの電球を気にしてみる。」

実は2週間ぐらい前より、大学のトイレの電球が切れているのだ。

切れているのは、 趣味の悪いカーテンのかかった大きな窓がついた車椅子専用のトイレ(個室)である。 えーと、別にカーテンの趣味が良いか悪いかは本題ではない。 窓がついているおかげで昼間は電球が切れていても気にならないのだが、 夕方以降は当然真っ暗だ(ちなみに、 本日のストックホルムでの日入は15:40であった)。

少々下品な話で恐縮なのだが、皆さんよく御存じの通り、 男性は通常立ったまま小便をする。つまり、 尿が身体を出てから着水するまでには、女性と比べてかなりの距離がある。 予想以上に尿圧が高かったり、方向や角度が適切でなかった場合、 無事便器内に着水せずにOBとなってしまう時もある。もっとも、 こればっかりはやりなおしが効かないという点では少々ゴルフと異なる。

つまり、大抵の男性は排尿する直前の「構えの姿勢」を取る時に、無意識のうちに、

  1. 方向および角度を目視で調整し、
  2. ほどほどの腹圧をかけるように調節して

いる筈である。暗闇で放尿する場合、 上記の1ができないので危険なこと極まりない。 という理由から、私は日が暮れてからそのトイレを使用するのは避けていた。

ところが、今晩になってから、 その個室からすっきりとした表情を満面にたたえたロシア人の学生が出てくるのを目撃した。 当然、個室は真っ暗である。 時間帯からして大きな便をした訳ではないようだし、 ちょっと気になって訊いてみた。

「真っ暗の中、良くできるね。どうやってはみ出さずにできるの?」
「うーん、…ほら、音で分るし。」

って、それって、まるきり答えになってませんが。 しかも、着水してない場合もあるってことではないか。 明日からは昼間でもそのトイレを使用するのは、禁止することにしよう。

というか、電球を替えるのが先決だと思います。


01.11.08,Thu 「初雪をみる。」

どうやら昨晩ストックホルムでも初雪が降ったらしいのだ。

やけに寒かったし、 帰宅時にはアパートの周りの水溜りが凍り始めていたぐらいだから、 雪が降ったとしてもあまり不思議ではない気温である。 もっとも、寒いからといって、これでパパイヤや椰子の実が降ってきたら、 それはそれでたまらないものがある。

などと、はしゃぎながらいろいろと書いているが、 実は積る程降った訳ではない。出勤時に植え込みなど地面が多少白くなっていて ようやく判明した程度のことである。そもそも、 私は東京出身だから雪が珍しく感じられるのだ。 といっても、バンクーバーに住んでいたこともあるんだけど。 えーと、とにかく、いい歳した大人が少々の積雪で喜ぶなど、 目も当てられない愚行だとは判っているつもりではある。反省してます。

というか、むしろ今現在の方が、昨日とは比較にならないぐらい、 がんがんに降っているんですが。もう、辺り一面雪景色だ。

雪は止んだが。

歩道を歩いていたら、交差点を曲がろうとした車がずりずりと後輪を滑らせ、 目の前の縁石にぶつかって行った。 もう少し経てばみんなスパイクタイヤになるのだろうが、 まだ街中は普通のタイヤの車がほとんどである。危険なこと極まりない。

ちなみに、相変わらず冷蔵庫は直っていない。 今夜こそ本格的な凍り牛乳ができそうなのだ。


01.11.10,Sat 「スパイクタイヤに換えてみる。」

昨日のコトで恐縮なのだが、雪が降ったと言うわけで、 やむにやまれず我が家の ジャクリーヌ号のタイヤを換えることにしたのだ。

というのも、昨日も午前中にかなりの量の雪が降ったからだ。 それに、一昨日まで履かせていた夏タイヤを詳細に眺めてみたら、 溝はなんと3mm程度しかなかった。車が駐車してあるところから公道までは、 緩やかな坂道になっているのだが、一面氷で覆われている。 このままでは、この坂を登り切るのは到底無理である。 万が一、無事に公道にでられたとしてもその後の保証も全くない。

幸い、昨晩、帰宅後に気温をチェックすると-2℃であった。雪も止んでいる。 つまり路上で這いつくばってタイヤ交換の作業をしても、 雪が解けてないために衣服が汚れる度合いが低くなる。 つまりスパイクタイヤに換えるのは今夜が最適である。我ながら賢いのだ。 って、たまには自画自賛をさせて下さい。実にみみっちい自賛だけど。

全身を雨具で身を固め、寒い中、 車に備え付けのパンタグラフジャッキで格闘すること小一時間。 途中で折角はずした夏タイヤを冬タイヤと間違えて 再び装着しそうになったりもしたが、何とか全てのタイヤを交換した。 空気圧は測定していないのだが見たところは問題なさそうなので、 近所のガソリンスタンドぐらいまでは大丈夫であろう。 週末を楽しむための移動手段は確保できたと、満足しながら就寝した。

ところが、である。

本日、昼頃に起床したらヤケに暖かかったのだ。 というか、昼頃に起床した時点で、 週末の楽しみは半減している気もするがそれは置いといて。

暖かい上に、雨の降る音がする。外に出て例の坂を見ると、 雪は解けて跡形もなく、川のように雨が流れ落ちていた。 普通のタイヤでも問題なく登り切れる状態である。 つまり、昨晩の寒い中での苦労は、水の泡と化してしまったのだ。 正確に言うと雨水と化したというか。

人生、七転び八転び。

追記

昨年からスウェーデンでは、 11/1以降は冬タイヤが義務づけられているそうです。 違反がバレると、罰金と運転謹慎が待っているそうな。くわばらくわばら。 スウェーデン在住のMさん、情報ありがとうございます!

追記2

スウェーデン人の友人によると、冬タイヤが義務づけられているのは12月からで、 11月からは「装着しても良い」ということだという話。うーん、 どちらが正しいのかは私自身が調べる必要があるのでしょうが、ま、 どっちにしても万全を期すならば、11月から履くのが吉ということでしょう。


01.11.11,Sun 「季節はずれのドライブを楽しんでみる。」

ストックホルムの郊外に住む、友人のお宅にお邪魔した。

ふんわりと仕上がったカプチーノと、おしゃべりを楽しむ。

Skoklosterの城まで車を連ねてドライブし、16時過ぎのtwilightの中、散歩した。

乳母車の中で幸せそうに眠る息子と、楽しそうに話す配偶者。

ここに、ひとつの幸せの形がある。

Skokloster slottet

というか、ちゅーちゅーしすぎじゃないすか、お父さん。


01.11.13,Tue 「全開にしてみる。」

やけに寒いのだ。

あいかわらず、安定しない天気である。 大した量ではないが、昨晩も雪が降ったようだ。 うっすらと積った、さらさらの雪を踏みしめながら、 自宅から大学までは徒歩20分。しかし、寒いなぁ。 こう、なんだか内股が寒いというか。

ふと心配になって股間に手をやった。あ、なんだ君は。チャックが全開ではないか。 前からよくやっていたことではあるが、ここストックホルムでもやってしまったとは。 道理で前から歩いてくる女性が目をそらすようにしていたと思った。 ああ、恥ずかしい。これぞ日本の恥。

ストックホルムの寒空の下、チャック全開で歩く東洋人男性が居たら、 たぶんそれは私だ。 この時期の北欧に観光でいらっしゃる方も少ないと思うが、 年末にはノーベル賞受賞式(今年も日本人が受賞)も控えていることだし。

別に挨拶は不要ですが、「開いてるよ」ぐらいの注意はしてやって下さい。


01.11.14,Wed 「日本食屋に入ってみる。」

所用があったので、午前中は大学を休んだのだ。

折角、街中に出たということで、「丸山」という日本料理屋で昼食。 御主人様(仮名)はキムチ丼、私は焼肉定食を頼んだ。

そもそも、外国で食べられる日本食なんてタカが知れてると思っていた。 味が良くても二度行きたくなくなるような値段の勘定を言い渡されるか、 普通の値段だと「これで日本食と言えるのかぁあ」 とテーブルごとひっくり返したくなるようなレベルのモノが出てくるのではないかと。

その予想に反して、この店はうまいのである。 こういう裏切り方ならいつでも歓迎である。その上、値段もリーズナブルである。 国内で食べるより若干高いぐらいの価格に収めているというのも好感が持てる。 ちなみに、この店では 以前に喜多方風ラーメンを食べて感涙にむせいだことがあるが、 現在はメニューから消えてしまったようで、幻のメニューとなっている。

日本食が健康にも良くて流行っているというのは、 スウェーデンも例外ではないのだが、 それにしてもこの店は人気が高いようだ。 その証拠に、いつも客で満杯である。 ストックホルムっ子も満足といったところなのか。

ちょっと聞き込みをしてみたので、ストックホルムっ子の喜びの声をお届けしよう。

「いやぁ、ここの寿司を食べるようになってから、身体が軽い気がして。」
「前から狙っていた彼女をデートで連れてきてから、もう僕にメロメロさ。」
「ここの巻き寿司の海苔のお陰かなぁ、1ヶ月前から髪がふさふさになった。」

というのは、真っ赤な嘘なんですが。そもそもスウェーデン語喋れないし。

というか、褒めすぎの傾向があるのは、 決して帰り際にマスターに大層なお土産を貰ったからでは断じてない。 断じてないったら、断じてないのだっ。


01.11.17,Sat 「煮豚を作ってみる。」

なんだかとても煮豚が食べたくなったのだ。

箸で切れそうなぐらい柔らかい煮豚を、熱々の御飯に載せてむしゃむしゃと。 うーん、想像するだけで涎が出てくる。だが、ここは中国でも日本でもない。 郷土料理を「ミートボール」と豪語するスウェーデンである。 別にミートボールを郷土料理として自慢してもらうのは構わないのだが、 ミートボールは煮豚とは違う。自分で作るしかないのだ。

もっとも、作り方はかなり簡単だ。 そもそも私でもできるのだから簡単に決まっている。

  1. 肩もしくは腹の部分の豚肉の塊を購入する。
  2. タコ糸で縛る。
  3. 脂を引いたフライパンで表面の色が変るぐらいまで軽く焼き目をつける。
  4. 醤油1カップ、酒1カップ、水1カップ、砂糖1/2カップのタレを作る。
  5. 生姜、ニンニク、ネギ、八角と一緒に1時間以上煮る。

もう、4回目ぐらいなので、ノウハウも蓄積してある。 あまりそんなノウハウに興味がある人もいるとは思えないが、 記念なので列記しておこう。

ただし、このレシピには大きな問題があった。

こちらでは日本酒は貴重品なのである。 1カップなどという大量の日本酒を使うわけにはいかないのだ。 「ケチ臭いこというなよ」と御主人様(仮名)に言っても聞き入れてもらえない。 苦慮した結果、赤ワインを使うことにした。

入れてみると、ぱぁっと良い匂いが広がった。どこかで嗅いだことのある匂い。

おお、そうだ。これは、洋風豚煮込みの香りだ。

って、良く考えてみるとこれは中華料理だ。 洋風豚煮込みの匂いがしても良いものなのだろうか。 困った。困ったがどうしようもない。覆水盆に返えらずである。 やがて1時間程経つと醤油やら八角やらの匂いも混ざって、 実に中途半端な感じになってきた。 ヨーロッパからユーラシア大陸を東方に1000km程移動してきた感じ。 って、良く分らないタトエだが、どうやら匂いはごまかせたような気がする。

しかし、我が愛すべき煮豚は、新たな問題に直面していた。 なんだかタレが濁っていて全然見栄えが良くないのだ。

とほほ。


01.11.20,Tue 「夕焼けをみる。」

本日のストックホルムは日出が7:54、日入が3:12なのだ。

計算すると、太陽が出ているのは7時間18分。 太陽は高く上らないので、ほとんどの時間、 街全体がオレンジ色の光につつまれている。 逆に日没後もすぐに太陽が深くまで沈まないので、 空はなんとなく明るく、暗闇はゆっくりと時間をかけて街を覆う。 緯度が高いことを肌で実感する毎日である。

Stockholm in twilight

で、暗くてやることがないということは、 さぞかし研究が進んでいるのだろう。 というつっこみもあるのだろうが、そうでもなかったりする。 いくら頭をかきむしっても、 私のちんちくりんの頭から素晴しいアイディアが生れる筈もなく。

ちんちくりん。

素敵な響きだ。


01.11.21,Wed 「おかしな夢をみる。」

ひさびさに覚えている夢をみたのだ。

折角覚えているので、ちょっと書いてみよう。って、 そんなもの誰も読みたくないとは思いますが、それは言わない約束で。

現在働いている大学の研究室で、 同室のロシア人(エストニア出身)の学生と喧嘩している夢である。

何だか知らないが私が言ったことに対して猛烈な勢いで怒り狂い、 手の届くところにある分厚い本を次々と掴んでは投げてくる。 喧嘩ではなくて何だか一方的な様な気もするが、 とにかく、どう贔屓目に見ても「これはマズイ」と思える状態。

イメージし安いように、現実を書こう。 普段から彼の机には500頁を越える頑丈そうなハードカバーの高価な書籍が 沢山乗っかっている。しかも、24歳だと言うのに額が禿げ上り、 議論の時にはその広いこめかみにはアオ筋が浮き上がる、神経質そうな感じ。 そんなロシア人をイメージして貰えればよい。

ちなみに、眼鏡は薄茶色の細いフレーム。 同じくロシア人の彼女と18平方メートルの部屋に同棲中。 最近、Sony製の液晶ディスプレイを購入。

とまあ、どうでもいい個人情報を暴露するのはいい加減にして。

とにかくその高価そうな本を私めがけて投げる投げる。 一冊は窓を破り、外に落ちて行った。 と、あわてて部屋に駆け込んできた同僚がそいつを後から羽交い絞めにして、 非難めかしく私に向って言った。「お前が悪いんだ」と。

口をとんがらせて反論し始めたところで、自らの大声で目が覚めた。 ああ、夢で良かった。と安心すると共に、どういう意味なんだろうかと考えてしまう。

しかし、朝食時に御主人様(仮名)が目を合わせてくれない。

こんな自分の将来が結構心配です。


01.11.22,Thu 「防寒ジャケットを着てみる。」

大枚をはたいてジャケットを購入したのだ。

もともと、御主人様(仮名)のダウンジャケットにつめてある綿(というかダウン)が だんだん平たくなってきて防寒の役に立たなくなったいたのだ。 替わりにこちらで購入したジャケットが意外に良かったので、 私も同じモデルを先週末に購入した。決して安いものではないのだが、 氷点下20℃にもなるという厳冬を乗り切るためにはいたしかたあるまい。

ジャケット

このジャケット、 Tensonというスウェーデンのブランドらしい。 ちなみに、直前の文でリンクを張ってますが、エロサイトのごとく、 いきなりブラウザが画面一杯に広がって大変なことになりますので、注意して下さい。 あっ、ちなみに私はエロサイトなんか、決っして、断じて、見たことはありません。 あと、「ムキになって否定するのが怪しい」というコメントには耳を貸しません。

えーと、とにかくこのジャケット、北欧生まれというということもあって、 かなり頑丈にできているし、防寒はほぼ完璧そうだ。それを着用すれば、 ヒマラヤやらエベレストを登っても大丈夫といった感じだ。 ジッパーを上まで上げると顔の下半分ぐらいは、ぶ厚い襟で完全にかぶさってしまう。 インナーの下部も紐でしぼめるようになっており、 裾からほとんど冷気が侵入しないので気密性もばっちりだ。 非常に暖かい。

ということで今週から意気揚々とこのジャケットを着用して通勤しているのだが、 今朝方、問題を発見してしまった。

あまりにも気密性が高いので、 放屁したガスがそのままジャケット内に充満してしまうのである。 このようなガスは空気より軽いようなので、動くと襟元まで登ってくる。 すると、あら不思議。かぐわしき「かほり」が存分に味わえるという寸法だ。 いわば、自動握りっ屁状態。

何事も過ぎたるはおよばざるがごとし、ということなのか。


01.11.23,Fri 「滑ってみる。」

歩道が氷だらけなのだ。

昨晩も軽く雪が降ったおかげだ。降り始めが雨だったので、雪として積もらず、 明け方に気温がぐんと低くなったところで氷となってしまったようだ。 こうなると危険なこと極まりない。 歩道の至るところが見えにくい氷でコーティングされたような状態になっている。 いわゆるブラックアイスというやつか。

とまぁ、今朝の通勤路はこんな感じだったのだが。

大学までの途中、大きな横断歩道を渡る必要があるのだ。 だだっぴろい中央分離帯を挟んだ片側4車線ずつある往来の激しい道だ。 ここの信号、往来の激しい道にあるだけあって、なかなか色が変わらないのだ。 もっとも、こんなところ滅多に渡る人なぞいないだろうから、 車優先なのも納得できる。

だが、今朝は運良く渡る直前に青になった。

のは良かったのだが、いかんせん車優先な横断歩道なので、 渡るのにちょうど必要な時間しか青の状態にならない。 つまり、渡り始めがちょっとでも遅れると、渡り切る前に赤になってしまう。

という訳で、最後の二車線を渡っている間に、 無情にもチカチカと点滅しはじめた。あ、信号が変わる! それまでは滑りやすいので注意しながらそろりそろりと渡っていたのだが、 さすがに速足になった。だが、焦る心とは裏腹に、踏み出した右足の踵がつるり。 そのまま右足は横断歩道の氷上をオーバーランし、 左足の膝をついてぺったんと転んでしまったのだ。 えーと、本人は正確には「転んでない」と信じているのだが、 まぁ、傍目から見れば転んでしまったのかもしれない。

信号待ちしている運転手の立場になって、想像して頂きたい。

暖かそうな赤いジャケットを着用した東洋人が、 目の前の横断歩道を危なっかしく歩いてきたと思ったら、 だしぬけに「欽ちゃん飛び」の格好で転ぶ。

これぞ、まったくもって日本の恥である。 先日もチャックを開けたままどうどうと歩いたりして、 もう恥さらしも良いところだ。嗚呼、日本の皆様ごめんなさい。

というか、スウェーデン人は欽ちゃんを知らないと思いますが。


01.11.25,Sun 「泡立ててみる。」

大学のキッチンにはエスプレッソマシンがあるのだ。

そう。エスプレッソマシンだ。いわゆる喫茶店にあるような機械で、 エスプレッソを炒れてミルクも泡立てることができる。 家庭用なのでたいした規模ではないのだが、 スチームを生成することができるので、喫茶店で飲めるような、 きめ細かい泡の立った立派なカプチーノを味わうことができる。

そんなドリームマシンがウチにもあれば、 いつでもカプチーノが味わうことができる。 ということで、以前から御主人様(仮名)に購入伺いを立てているのだが、 いくら交渉しても購入許可は降りない。 「そんな贅沢品は要らない」というのが主な理由だ。 もっとも万が一購入したとしても、北欧に限らずヨーロッパの電圧は230V。 日本では使用するには昇圧器(トランス)が必要だし、 そもそもそんな機械を置けるような広い台所つきの場所に住めるわけもなく。 すなわち、きめ細かに泡だったカプチーノを家で飲むなんて、 私のような小市民には夢また夢と半分諦めていた。

ところが、今日デパート(NK)をブラブラしていて素晴らしいモノを発見した。

秘密兵器
背景はエスプレッソポット。

aerolatteという中国製の機械である (企画は英国の会社らしい)。長さ20cm程度の機械であるが、 説明書によるとスイッチを入れると、先端の部分が高速で回転して、 ミルクを泡立ててくれるらしい。しかも単3電池2本で駆動するので、 電源の問題もない。こんな機械に2,500円程度も払うのは、 いささか高い投資のように思えるが、 エスプレッソマシンそのものを購入するのに比べれば安い安い。 これぞ私の求めていたドリームマシンだ。

もっとも子細に観察すると、 なんだか自動歯磨き器の先端部分を変えただけのように見える。 見れば見るほどそういう風にしか見えなくなってくるのだが、 そんなことは気にしない。何しろドリームマシンだからな。

箱の裏の説明書をみると、

  1. 背の高いコップの中に1/3程ミルクを注ぐ。
  2. 機械の先端をコップの底付近まで差し込む。
  3. スイッチを入れて、円状にゆっくりと回しながら10秒ほど泡立てる。

とある。なるほど簡単だ。私でもできそうだ。

ということでその場で衝動的に購入して、はやる心を抑えつつ帰宅。 早速、試運転だ。コップの中の状態を確かめるためにも、 ガラス製のコップが良かろう。ミルクを注ぎ、底まで差し込み、スイッチオン。 うわあああ。

台所がミルクだらけ。

こんな単純な作業すら満足にこなせない自分に殺意を抱いております。


01.11.27,Tue 「かぶせてみる。」

郵便局から「小包が届いた」との連絡が来たのだ。

ここスウェーデンでは小包が到着した場合、 郵便局が小包到着の通知をして局で預かるという仕組になっている。 つまり小包は配達してくれないのだ。 もちろん普通の郵便物(郵便受けに入りそうなサイズのもの)は配達してくれるのだが、 小包となると不在の場合、放置してしまうと盗まれてしまう可能性もあるのだろう。 共働きの家族(つまり日中は不在)が非常に多い、 スウェーデンならではということなのか。

しかし、至極便利な日本の郵便事情に慣れた身にとっては、 いちいち郵便局まで受け取りに行かなければならないので面倒で仕方がない。 それに、高齢の人にはとてつもなく不便なシステムに思えるのだが、 かえって「積極的に家を出て郵便局までの散歩ぐらいしなさい」 ということなのかもしれない。

とまぁ、スウェーデンの郵便事情はそれぐらいにしておいて、 問題は小包の中身である。

本日の我が家のトイレ

えーと、小包で到着したのはトイレではない。念のため。

ご覧の通りスウェーデンも日本とあまりトイレ風景は違わない。 というか、読者の皆様は何の変哲もないトイレの写真を見せられて、 憤慨していらっしゃるかもしれないが、 ここはひとつ怒りをお鎮めになって頂きたい。というのも、 通常スウェーデンのトイレには決定的に欠けているモノがひとつあるのだ。

便座カバーだ。

我々の知る限り、スウェーデンには便座カバーを販売しているところはない。 そういえば、昔住んだオーストラリアもカナダもそうだった。つまり、 私の予想するに西洋人の皆様は、 毎回冷たい便座にお尻をあてて用をたしていらっしゃるのではないか。

私など、「さあ出すぞ」と意気揚々とトイレに入っても、 便器が冷たいだけでなんだか出鼻をくじかれて、 出るモノも出なくなってしまう気がする。 えーと、気がするだけで、なんだかんだ言って結局は出すんだけどね。 ただ、やはり一旦便座カバーに慣れてしまうと、 「ひやっ」とした感触はあまり気持ちの良いモノではない。

と言うわけで、急遽国際電話で日本に電話。母親にお願いして、 わざわざ航空便で送ってもらったのだ。こう考えてみると、 ウォームレットなどという装置まで開発している日本は、 意外とトイレ先進国なのかもしれないな。 とにかく、これからはもう怖いモノは何もない。 便座カバーのお陰で毎朝快便快腸である。ビバ、便座カバー!

というか、いくら嬉しいからと言って、 トイレの写真を撮影しwebに載せるということの馬鹿馬鹿しさに、 最後の最後まで気づかなかった自分のイタさが身にしみるのだ。


01.11.28,Wed 「撮影してみる。」

クリスマスまでひと月を切り、 ストックホルムもデコレーションが目に余るようになってきた。

えーと、「目に余る」というのは明らかに間違った表現だ。 そもそもキリスト教徒がクリスマスを祝うことに何の問題があろうと言うのだ。 いいえ、まったく依存はありません。

ちなみに、このデコレーションの習慣、 冬を耐えぬくために家の中に木の枝を飾ったというヨーロッパ古来の習慣と、 キリストの生誕を祝う行為が一緒になったのが始まりだそうだ。 ドイツで始まったと言われるこの習慣、やがて19世紀後半に全世界に広まったらしい。

とまぁ、そんなことはともかく、 綺麗なデコレーションを激写すべく帰り道にぶらぶらしていたのだ。 街の中心地に近いロータリー(round about)でツリーが飾られているのを発見。 ちょっと遠めの場所から何枚か撮った。


なるほど綺麗なツリーなのであるが、問題はこのツリーを撮影した後である。

上記の写真を撮影した後、ツリーに向って歩いていったのだ。 必然的に、ツリーの手前で路肩に乗り上げ、 ハザードを出して停まっている車(上記写真参考)に近づくこととなった。 運転手のオジサンは作業を終えたばかりの様で、運転席に乗りこんだ。 近づいて行って気付いたのだが、助手席の窓からなにやら棒状のものが突き出ている。 結構長い。しかもその棒の途中には弁当箱を大きくしたようなものが。 しかも微妙にカーブしている。すぐには思い出せないのだが、 何だか見覚えがある気がする。

あ、思い出したぞ。マフラーだ。 ほら、その証拠に、オジサンがエンジンをかけた途端に爆音が。 おそらく、道の真ん中でだしぬけにマフラーが落ちたかなんかして、 放置するわけにもいかないのでやむを得ず載せて帰るところだったのだろう。

そんな推理をしながら眺めていたら、車は爆音を上げながらのろのろと動き始めた。 と、車の運転手の人と目があった。ものすごい形相である。 まるで親の敵でも取りにきたかのような怒りの表情。

何を怒っているんだろうか。あ、そうか。 どうやら私がマフラーを落っことした一部始終をカメラに収めていたと勘違いしたのか。 それならば、お怒りはごもっとも。 ごもっともですが、私はあなたを写していたわけでは決してありません。 と、言いわけができるわけもなく。

でも、情けない音を立てながらのろのろと走っている車から、 いくら怒りをあらわにされても説得力はない。 窓開けて走ると非常に寒いと思うのだが、 あのオジサンが無事に帰還するのを祈るばかりなのだ。


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