「古楽でモテモテになろう!」シリーズ、結局反応はイマイチでした。 つまり「止めろ」という反応も「続けて」というのもほとんどなく、
やっぱり、こういうブルーな時には、前向きになりたいモンです。 ところで、同じブルーになると言えば失恋。 今回はその失恋から立ち直るために聴く音楽なんてのも考えてみましょう。 ちなみに、アピールしておきますが、私が最近失恋した訳ではありません。 ただ、憂鬱な天候にあったネタを思いついただけです。 ただ雨が降っていて嫌だったというだけのはなしですすいません悔い改めます。
って悔い改めていたら何にもならないので、強引に話を進めちゃいましょう。 皆さんは、失恋した時によく聴く音楽があると思います。 ゴク限られた、交遊関係の中で調査した結果、 中島みゆきを聴きまくるが10%、槙原敬之を聴きまくるが30%、 マーラーを聴きまくる5%、なんて感じです。
ところで、音楽で失恋から立ち直るためには、 2つぐらいのアプローチが考えられます。
では、ここはマガリナリにも古楽系のページですから、 何か古楽で良いものを考えてみましょう。
まずは、「気分が晴れる曲」系。 これはあんまり難しくありませんが、逆に種類が多くて困ってしまいます。 適当に聴いて下さい。
次に「徹底的に落ち込む曲」系。 これも山程あります。 ですが、ここではモンテヴェルディの、 「マドリガル曲集」から強引に推薦してしまいましょう。 Lamento系列(*1)の曲が最適です。 当然筆頭に挙がるだろうと思われるのは、 "Lamenti d'Arianna"(「アリアンナの嘆き」)でしょう。 この曲は名曲かつ有名なので、いろいろな録音が存在します。 古楽唱法のCDだけでも相当数ありますから、探すのはさほど難しくないと思います。
あと、以前書きましたが、 マレのヴィオール曲集なんかも良いです。 「サント・コロンブのためのトンボー」なんか最高ですね。 しっとりとしたオープニングから、号泣にも取れる最後のクライマックス。 もう言うことありません。
私? ま、私のようにモテモテな人間には、 失恋を一々気にしていたらしょうがない、 というのは嘘ですごめんなさい石投げないで下さい。
注
今日の推薦CD: | |
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上に述べた「落ち込み系」音楽の入ったCDで、 モンテヴェルディのマドリガルの6,7,8,9巻からの抜粋になります。 全曲がLamentiで占められている訳ではなく、もちろん明るい曲も入っています。 通奏低音はレオンハルトのチェンバロのみで、 最近の流行りである分厚い通奏低音に慣らされた耳には、 ちょっと物足りないかも知れません。 1曲目の「アリアンナの嘆き」は、 他にも銘盤が沢山あり(あの米良美一さんもインディーズ時代の収録しています)、 必ずしも最高なデキの演奏ではないかもしれませんが、お気に入りのCDです。 個人的には3曲目の"Lamento della Ninfa"(「ニンフの嘆き」)が好きです。 これは、ラメントバス(*2)の繰り返しに乗せた儚いソプラノの ソロが徹底的に涙を誘います。18世紀以前の音楽には、 音形(フィグーラ)に意味合いを持たせることが多く、 ラメントバスはこのフィグーラの一種です。 バスの旋律に半音下降が出現するとき、深い悲しみを表します。 また、悲しみを表す言葉には不協和音が使用されており、 モンテヴェルディの類まれなる才能を満喫することができます。 戻って来ない恋人を嘆くまさしく今回の話題にぴったりの曲ですが、 失恋していなくてもお勧めしたいCDです。 |