ピッコロ用語辞典
Last modified on 8 Apr 1999.
お遊びですが、ピッコロ用語をまとめて見ました。もっと良いのがあれば、
掲示板にお知らせ下さい。
中にはちょっと品位の低い表現もあるかもしれませんが、
分かった方は御自分で責任をお取り下さい。
音は、ピッコロの譜面の表記(実音より1オクターブ下に表記される)に従っています。
オクターブ記号は「'」で表現していて、例えば「''」は2オクターブ目を意味します。
この辞典は、以下の各氏の強力を頂いております。
強力してみたいというそこのピッコロ吹きのあなた! どうです?
あ行
- A【あ〜】
- ドイツ語で「ラ」のこと。通常442Hz程度で演奏され、
オーケストラではオーボエが吹きはじめてチューニングをする。
通常ピッコロはチューニングをしても意味がないぐらい音程が悪い。
- アシ【あし】
- アシスタントのこと。きついソロが多い1stフルート奏者は、
比較的ヒマにしているピッコロ奏者を捕まえて任命することが多い。
- アンブシュア【あんぶしゅあ】
- 管楽器で音を作るために必要な口の形。ピッコロの場合、
楽器のサイズに伴い歌口も小さいので、
微妙な口周りの筋肉のコントロールが必要となる(はずである)。
- ヴィヴァルディ【う゛ぃう゛ぁるでぃ】
- 「赤毛の牧師」と呼ばれた、四季で有名なイタリアバロックの作曲家。
ピッコロのための協奏曲を書いたと誤解されている。
- Esクラ【えすくら】
- 一番高い音域を担当するEs管のクラリネット。
後期ロマン派、近代オーケストラ楽曲で超音波発射要員として、
ピッコロとともに重宝される。
双方の音程が合えば超音波と呼ばれることはないのだが、
確率が非常に低く、演奏後に他のパートから非難の視線を浴びることが多い。
仲良くしておいた方が良いパートである。
- 落ちる【おちる】
- まわりの人が演奏している場所と、自分の対応が取れなくなること。
吹く場所は少ないくせに落ちると非常に目立つので、
ピッコロ奏者はなるたけ避けなければならない。
- 落す【おとす】
- ♭や♯をつけずに吹いてしまうこと。
ピッコロの3オクターブの上半分の領域だと、落してもバレないことが多い。
- 降り番【おりばん】
- 曲にパートがない状態(対義語:乗り番)。
ピッコロパートがない曲はヤマホドあるので、
ピッコロ奏者は寂しく笑うほかにない。
- 音程【おんてい】
- 音の高さ。どれだけ正しい音の高さで演奏しているか、指すことが多い。
基本的に、ピッコロ奏者に欠落している概念。
か行
- 近所迷惑【きんじょめいわく】
-
- ピッコロ奏者が楽器をさらうこと。
- オーケストラでピッコロ近隣の席に座している人達が被るもの。
自分の音が聴こえない上に、
最悪の場合耳鳴りがやまない可能性がある。
さ行
- さらう【さらう】
- 個人的に楽器の練習をすること。
吹けないパッセージは練習しなければならないのだが、
ピッコロ奏者は近所迷惑になるのでなかなか出来ない
(という言い訳を良く使う)。
- 猿【さる】
-
- 何回も同じパッセージを繰り返し吹くこと。
吹けない部分を練習する時にも用いられるが、
下手すると段々煮詰まって来るので、程度を考えた方が良い。
- フルートの曲をピッコロで吹くと言う無茶をする人。
欲求不満な奏者が舞台袖でやっているという目撃談が多い。
- 自爆【じばく】
-
- 難しいフレーズをより速く演奏しようとしてできないこと。
- 難しいソロが入った曲のパートを自ら立候補しておきながら、
本番で失敗すること。
- ショスタコービッチ【しょすたこーびっち】
- 20世紀ロシアの作曲家。本人が好んでいたかどうかは不明だが、
交響曲中に難しいが目立つピッコロのソロが多く、
ピッコロ奏者は好んで吹く。が、非常に難しいので自爆するケースが多い。
- 喘息ぎみの鳩の鳴き声【ぜんそくぎみのはとのなきごえ】
- ピッコロの1オクターブ目の音の形容詞。
音の輪郭がぼんやりとしている上に、鳴らないからである。
た行
- タコ10【たこじゅう】
- ショスタコービッチの交響曲10番。
1楽章の終りに2本のピッコロのための長いゆっくりとしたソロがあり、
ppと書いてあるのに息がもたないことが多い。
「ちゃいよん」と並ぶピッコロの最も難しいオーケストラ曲とされている。
- タセット【たせっと】
- tacetのことで、楽章がまるまる休みの時に、
五線譜の代りに譜面に文字として書いてある。
ピッコロは賑やかな楽章以外はたいていtacet指定がされており、
あまりにひどいと1曲に10個程度の音符しか無い曲もある。
- ダフクロ【だふくろ】
- ラヴェルのバレエ曲「ダフニスとクロエ」。
2本のピッコロをどうやればうまく使えるかを実践した曲
(全曲に渡り、ユニゾンがほとんどない)。
ピッコロの譜面に中盤のソロのみを記したものがある。
- チャイ4【ちゃいよん】
- チャイコフスキーの交響曲4番のこと。
この曲の3楽章には、プロオーケストラの入団テストにも使用されるほどの
A'''から始まる非常に難しいピッコロソロがある。
何が難しいと言えば、1,2楽章はtacetで、
ウォーミングアップなしでいきなり吹かされることであろう。
- 電柱【でんちゅう】
- フルートやピッコロの楽譜は高い音が多く出現するので、
五線に入り切らず、加線が付けられることが多い。
その姿はまるで電柱の様であることから高い音はこう呼ばれる。
なお、慣れた人でも初見で判断できる加線の数は4本ぐらいまでで
(g'''もしくはa''')、それ以上はヤマカンで読んでいるらしい。
- 「隣の庭は青い」【となりのにわはあおい】
- 休みの多いピッコロ奏者が、
華麗なパッセージの多いフルートを横目に思う言葉。常識的に考えて、
ソロがあれば(あくまでもあれば)とフルートより目立つ筈である。
- ドボ8【どぼはち、どぼっぱち】
- ドボルザークの交響曲第8番。2ndフルートはピッコロの持ち替えがあるが、
出番は1楽章冒頭の8小節程のd'の伸ばしのみ。
何故これをフルートで書かなかったかは永遠の謎であるが、
はなはだ迷惑な話である。
な行
- 並クラ【なみくら】
- 人の名前ではなく、B(べー),A(あー)管の普通のクラリネットを指す。
その他にEs管(えすくら)、バスクラリネット(ばすくら)がある。
普通のフルートを「なみぶえ」などと言うことはほとんどない。
は行
- 馬鹿鳴り【ばかなり】
- ピッコロ奏者が周りに構わず他の楽器をかき消さんばかりに吹く様子。
オーケストラを壊すことに関しては、
実はトランペットと同じ程度の威力がある。
- はずす【はずす】
-
- 管楽器用語で、奏者の意図と反して楽譜に書いてある音が出ない状況。
ピッコロの場合、息圧が高いので、下手すれば譜面が、
更に運が悪ければ前に座っている弦楽器奏者の頭がつばだらけになる。
- 音が正しい音程でないこと。ピッコロの場合、日常茶飯事。
- 暇【ひま】
- 時間を持て余すこと。特にベートーヴェンの交響曲でピッコロ奏者が陥る。
舞台上では、暇にしていても鼻をほじったり、くつろいだりできないので、
目立たないように睡眠を取る他ない。
- 笛【ふえ】
- オーケストラ内のフルート類の楽器の総称。
通常のフルート、ピッコロ、アルトフルートなどが含まれる。
- フラジオ【ふらじお】
- 弦楽器の奏法の一つで、倍音ハーモニクスのみを演奏すること。
以外とヴァイオリンのフラジオとピッコロのユニゾンは多く、
音程が合わないのをピッコロの所為にされることが多いが、
普段の行いが悪いので言い訳しても認めてもらえない。
ま行
- マーラー【まーらー】
- 後期ロマン派を代表する作曲家。ピッコロ奏者にとっては、
初めてcを書いた偉大な作曲家(ピッコロは300年来dが最低音)。
- マラ3【まらさん】
- 下品な男性を指す言葉ではなく、マーラーが書いた長大な交響曲第3番のこと。
3オクターブの音域で、ピッコロ4本をユニゾンで吹かせるという暴挙を
成し遂げている。
- 耳鳴り【みみなり】
- まだはじめて間もないピッコロ奏者がかかる病気。
ピッコロには、(特に右耳の)
聴覚がやられてしまうのではないかと思う程の音量がある。
- 持ち替え【もちかえ】
- 一人の奏者に対して1曲中に2つ以上の同属楽器の出番があること。
ピッコロのみの曲は少なく、たいてい3番フルートと共通の譜面なので、
持ち替えが当り前である。
編者が遭遇した最短持ち替え時間はC.オルフの「カルミナブラーナ」中の
アレグロ3/4で1小節(そんなの無理)。
や行
- ユニゾン【ゆにぞん】
- 2つ以上の楽器が同じ音の高さの旋律を演奏すること。
ピッコロ2本では事実上不可能。
- 欲求不満【よっきゅうふまん】
- 演奏会後に、皆がくたくたになった状態なのに、
宴会で荒れるピッコロ奏者を指すことば。
音符の絶対数が少ないことに起因するらしい。
金管奏者も曲によっては同様の状態になる。
ら行
わ行
- ワイ、トレヴァー【とれう゛ぁー・わい】
- イギリスのフルート奏者。この人によるPiccolo Practice Bookは、
ピッコロ奏者には必須である。
Copyright (C) 1999 Tokyo Institute of Piccolo