2000年12月前半の「がまんしましょう。」


00.12.01,Fri台無しにされてみる。
00.12.03,Sun反論してみる。
00.12.04,Monレストランで祝ってみる。
00.12.05,Tue不倫ハンターを想像してみる。
00.12.07,Thuふられてみる。
00.12.08,Fri銘酒を手に入れてみる。
00.12.09,Sat臭ってみる。
00.12.10,Sun10年前を思い出してみる。
00.12.12,Tue寒いのに手に汗握ってみる。
00.12.13,Wed確かめてみる。
00.12.15,Fri忘年会に出席してみる。

00.12.01,Fri 「台無しにされてみる。」

ひさびさに出社すると、「顔が死んでいるよ。」と言われたのだ。

いや、私自身も、自分のことを特に美男子だと思っている訳ではないのだが、 それはアンマリではないか。醜男だと言いたいのなら、 もう少し言いようがあると思うのだが、如何だろうか。

などと考えていたら、 どうやら病み上がりで青白い顔色をみてのコメントだったらしい。 なんだ。やっぱり体調が悪いと、悪い方にとってしまうなぁ。 被害妄想全開。

夜は御主人様(仮名)も体調が悪く、晩飯を作りたくないようだったので、 最近、自宅の近くにできたイタリア料理屋へ行く。

ちなみに、自宅は呑み屋の似合う都下の街のど真中にある。 ここで、このようなお洒落なイタリア料理店は案外珍しい。 オープンキッチン、間接照明、センスのある内装と、かなりお金をかけている。 笑顔を絶やさず、機敏に動くボーイ。カクテルもメニューにあるし、 パスタもきっちりアルデンテで、デザートもうまい。 青山にあったとしても、充分に及第点を貰えるであろう。

だが、店はゲヒャゲヒャ笑う女性の集団で占拠されていた。 すべてぶち壊し。


00.12.03,Sun 「反論してみる。」

モダン楽器で練習のために新婚ほやほやのIさん宅にお邪魔したのだが、 本日は、そんなことよりも私の注意を引くことがインターネット上にあったのだ。

会社の先輩であり、オケでもご一緒したことのある、 Iさんの日記である。 ここに、聞き捨てならぬ、いや、読み捨てならぬことが書いてあった。 先日、 会社を休んで御主人様(仮名)のパンティーを被ってみたことは ここの読者の皆さんの記憶には新しいと思うが、 彼はその行為について批判している。 ちなみに、上の「Iさんの日記」のリンクを辿って頂ければ、 原文にたどり着くことができる。 まずはそちらを読んだ方が話が分かりやすいだろう。

言わせて頂きたい。

私を批判した後に、彼は

「僕だったらはいてみるな。でも、 小さくて全然入らないけど (実験済み)。」

との注釈をしている。よく考えてみるまでもなく、 Iさんと私のどちらが変態かは簡単に判別できる。

というのは、私はただ単に被っただけである。 だが、彼はパンティーを履くことを試みたのだ。 ということは、私の乏しい想像力を駆使することによれば、彼は、ズボンを脱ぎ、 更に履いていたブリーフ(またはトランクス)を脱ぎ、 そしてパンティに足を通した筈である。 想像して頂きたい。自分の身体が入らないことを確認した時点で、 彼は下半身丸出し。反対に私は小さな布切れを頭に被っているだけ。 どっちが変態かは火を見るより明らかであろう。

えーと、ちなみに、 私の辞書には「五十歩百歩」とか「目糞、鼻糞を笑う」という言葉はありません。


00.12.04,Mon 「レストランで祝ってみる。」

御主人様(仮名)と待ち合わせをしたのだ。

そう。今日はなんと結婚1周年である。 「え、11月11日にあったではないか」 とおっしゃる方も居るかもしれないが、この日は入籍日であって、 結婚式と披露宴を執り行ったのは12月4日。 結婚に関する記念日が2回もあるので、面倒臭いこと甚だしい。

と言うことで、1年前利用した式場のレストランから招待状が届き、 ディナーをタダでご馳走してくれると言うので、 のこのこと都心に出かけたのだ。丸の内の一等地にある、 歴史のある高級レストランである。私の安月給では、 とても「行こう」なんて考えが及ぶ筈もないぐらい。

だが、もう結婚して1年である。「新婚」の名称が取れる時期である。 揺れるロウソクの光の中、静かに見つめあうなんてムードのあることはしない。 そもそも、我々はそんなノリが似合う夫婦ではない。 って言うか、そんなノリの似合う人って世の中に居るんだろうか。

しかも、社用で接待をしていると思しき人達に囲まれているのだ。 引きつった笑いを無理に浮かべる若手の社員。 何だかいたたまれなくなり、さっさと食べて、さっさと退散。 平日だし。


00.12.05,Tue 「不倫ハンターを想像してみる。」

どうやら、『不倫ハンター』と呼ばれる人が居るらしい。

そのことを教えてくれた人も、噂でしか聞いたことがないという話だから、 真偽の程は定かではないのだが、違うロケーションにある職場に出没するらしい。 「ハンター」と呼ばれるぐらいだから穏やかではない。

聞くところによると、その女性は職場内の男性と次々と関係を結んでいるそうだ。 だが、手当たり次第と言う訳でもなく、相手に条件がある。 その条件とは、相手が妻子持ちであること。 「不倫ハンター」と呼ばれる結縁である。その女性は、顔は十人並らしいが、 肉感的なスタイルを誇るそう。この世の中には、 いろんな人が居るなぁとしみじみ思う。話をしてくれた人(妻子持ち)は、 「是非お会いしたい」と熱っぽく語ってくれた。

ちなみに、私がその言葉を聞いて最初に想像したのは、人を廊下で呼び止めて

「君、実は不倫してるだろう。これまでの調べでネタは上がってる。」

などと耳元でつぶやく黒いスーツに身を包んだ長身の男である(サングラス付き)。 サングラスの下からはちらりと見える鋭い眼光、長く伸ばしたモミアゲ、 常にスーツの内ポケット入れたままの右手。どうやら、 とんでもない勘違いだったようであるが。

果てには『不倫を罰し、腐った世の中に鉄鎚を』 などというキャッチコピーまで浮かんでしまう妄想に、ちょっと嫌気がさす。

武蔵家(吉祥寺)ラーメン 固め


00.12.07,Thu 「ふられてみる。」

御主人様(仮名)も同席する筈だった晩の予定が、 先方の都合でキャンセルされる。 相手は、外国に留学してしまう都合で、 しばらく会えなさそうな人だったので、 かなり楽しみにしていたのだが。

当然、御主人様(仮名)は夕食を作らないつもりだったため、 困った事態に陥ったのだ。今更、 「レストランで二人っきりでの夕食」なんて気恥ずかしい状態は避けたい。 というか、それはつい先日にやったばかりか。

結果として、駅前の焼き鳥屋で呑む。 今の心境を、なんとなく言葉で表すと「負け犬」が適当かと。


00.12.08,Fri 「銘酒を手に入れてみる。」

地酒の置いてある酒屋を教えてもらったのだ。

職場に居るMさん(酒豪、独身)は、大の日本酒好きだ。 で、 この前の会社の旅行の飲み会に携えて来たのが、『黒龍』なる吟醸酒。 そう。私が頼まれもしないのに勝手にがんがん飲んで、 見事につぶれてしまった日本酒である。

もともと私は酒が強い訳ではないのだが、 特にビールやワイン、日本酒などの蒸留されていないお酒には滅法弱い。 苦しくなったり、気分が悪くなったりする。ところが、最近、 「高い酒なら気持ちよく酔える」と言うことを発見したのだ。 何とも贅沢なことである。というか、高い酒なら当り前と言うか。 もっとも、すぐに酔ってしまうので高い酒でもあまり懐が痛まない。 つまり「高い酒をちびちび味わう」という楽しみを発見してしまったのだ。

話を戻そう。で、ちょうど、その酒屋は会社の帰り道にある。 ということで、無比の日本酒好きのMちゃんとその店に帰り道に寄ってみたのだ。

ちなみに、何度も言うが、日本酒好きのMちゃんと言っても、 ちょっとオヤヂ系の話の分かる美人OL、と言う訳ではない。 というか、親父そのものだ。嗚呼、 終業時間に「今日は日本酒飲みに行きましょうよぉ〜」なんて声をかけてくれる 美人OLの後輩が欲しい。何で私の後輩はよりによって全員がむくつけき男なのか。 理系就職した自分を激しく呪う瞬間である。

結局、『黒龍』と『緑川』の750ml瓶を抱えて店を出る。 両方とも限られた店でしか入手できない銘酒。しかも、 希望小売価格のままプレミア価格になっていないので、割安感がある。 何だかニマニマと嬉しくなってしまう瞬間である。

というか、酒瓶を抱えてニマニマする、 アブない人間になっていることに気づいていない所が実に浅はか。


00.12.09,Sat 「臭ってみる。」

ちょっと不潔な話題で申し訳ないのだが、実はもう2晩風呂に入っていない。

深い理由はない。ただ面倒臭いだけである。 私はさほど綺麗好きという訳ではなく、会社の机も汚いのだが、 基本的に入浴だけは毎日する。だから、 今回のように連続して風呂に入らなかいのは珍しい。 って、声を大にして言う程のことでもないけど。

しかし、2日も入らないと、髪の毛が少々脂っぽく感じる。 何で脂っぽくなるんだろう。ちょっと想像してみよう。 寝ている間に頭のテッペンから、 得体の知れないどろどろした汁が浸み出て、 髪の毛を伝って下方に広がっていくイメージ。う〜ん、気持悪い。 で、そんなイメージを、共有しようと御主人様(仮名)に克明に解説したところ、 彼女はしかめっ面をして私の近くに寄りつかなくなってしまった。 しまった。黙ってれば良かった。

良く考えてみると、今日は特に人に会う約束もない。ということで、 夜まで風呂に入らないことに決めたのだ。 臭いで迷惑するのは、御主人様(仮名)だけだ。少々我慢してもらおう。

ところで、一昨日発売された 『タイピング・オブ・ザ・デッド』というゲームはご存知だろうか。 次々と画面一杯に現れるゾンビを撃ち倒していく 「ハウス・オブ・ザ・デッド」の続編なのだが、 このゲームでは拳銃を使うのではなく、 画面に現れる単語をキーボードで打ち込むとゾンビが倒れる仕掛けになっている。 早い話がタイピング練習ソフトである。基本的にはアーケードゲームの移植なので、 既存のタイピング練習ソフトよりは完成度が高い。

ということで、異臭をぷ〜んと放ちながら近所のPC屋まで買物に出かけたのだ。 迷惑なこと、極まりないのだ。ぷ〜ん。

って、ゾンビかオノレは。


00.12.10,Sun 「10年前を思い出してみる。」

山の手線の東側までお出かけしたのだ。

というのも、劇団四季が公演している『ライオンキング』を、 御主人様(仮名)、姪と一緒に観るためである。 歌も演技ももちろん良かったが、何より舞台装置に圧倒された。すごい。

その後、御主人様(仮名)と姪とは別れて、 単身であの「欲望の街」秋葉原に足を踏み入れた。 この街に足を踏み入れたのも、 1週間前に下げ止まったパソコン用のメモリの値段が、また 急落したとの情報を手に入れたからだ。 ノーブランドのメモリは、市場価格が上下するものと言うのは常識と言えよう。 私が1年前に購入した 128MB PC100 CL=2 のメモリの値段は2万円であった。 半年前は1万円。すんごい勢いで暴落しているのだ。 結局 5200円で望みのモノを手に入れ、ほくほく。

しかし、ここは店の新陳代謝が激しい街である。 昔良く通っていた店はいつの間にか潰れ、全く違う店になっていたりする。 一方、変らないのはこの街を歩く人の姿だったりする。 チェックのシャツ、脂っぽい長髪、曇った銀縁眼鏡、 ケミカルウォッシュのジーンズ、ショルダーバッグ。 10年前とあまり変っていない気がするなぁ。 ていうか、ケミカルウォッシュのジーンズって一体どこで手に入れるんだろ。 女性数が圧倒的に少ない大学の理工学部が その手の人だらけだったことを思い出す。

などと、 偉そうに言っている自分自身も実は10年前とあまり変っていないんだけどね。


00.12.12,Tue 「寒いのに手に汗握ってみる。」

ああ、寒い。

何しろ、吹きっさらしの駅のホームである。 「ローカル線」と言っても過言ではない都下の私鉄の単線。 時間帯は23時過ぎ。酔っ払ったのを良いことに、間違えて乗り過ごし、 所在なさげに風に吹かれているという状態である。

普段はあまり電車に乗り間違えるとか乗り過ごすとかの失態はしないのだが、 がばがば飲んだ日本酒も手伝って、気が緩んでしまったらしい。Mちゃんに 「『黒龍』の飲み比べができる店が新宿にあるので行こう」 と誘われたのが失敗のはじまりだったのだ。Mちゃんと言っても…、 って、もうこの話は止めよう。

店から出て1時間。ちょうど酔いも醒め始めるころあいである。 猛烈に寒い。あまりの寒さに我慢しきれず、ぶるぶると震えていたところ、 目の前をコートに身をくるんだ長身の若い男性が通り過ぎた。 コートの下はタートルネックの黒いセーター。全身黒ずくめ。 私と同じように間違えて乗り過ごしたらしい。

と、そこまでは普通である。だが、この男性には、私の注意を引く理由があった。 何かと言うと、彼は晴ればれとした笑顔を浮かべていたのだ。しかもスキップ。 私は目を疑った。

状況を、もう1回復習しよう。深夜、寒空の下、都下の私鉄の単線のホームにて、 晴ればれとした笑顔を浮かべて、スキップする、長身で黒ずくめの若い男性。

どう考えてもおかしい。

この寒さなら、背を丸めて、眉間に皺を寄せながら、 下を向いているのが普通だろう。 「暑さで頭がおかしくなりそう」という話は良く聞くが、 「寒さで本当に頭がおかしくなった」というのは前代未聞である。

しかも、私を最も居心地悪くしたのは、他に人が居なかったと言う事実。 深夜で登り電車を待つ人間なんてそんなに居る訳がないのだ。 登り電車が来るまで、ホームに居るのは何やら楽しげな彼と私の2人だけ。

こんなに緊張した手に汗握る10分間は久しぶりだったのだ。


00.12.13,Wed 「確かめてみる。」

道路に人型が書いてあったのだ。

そう。よくドラマで殺人現場にあるような、 チョークで人の形に囲ってあるヤツ。 朝、駅から会社に行く道の途中の交差点の真中である。 昨日ここで事故があったとは聞いていない。悪い冗談だ。 あまり気にせず仕事にとりかかる。

だが、ちょっと心配になってくる。

あれは本当に人型ではないのだろうか。

ということで、帰り道に確かめてみることにしたのだ。結構遅い時間。 車も途切れ、周りに人が居ないことを確認する。 すばやく道路にひざまずき、そしてその人型どおりに寝てたのだ。 うーん、結構道路は冷たいなぁ。って、そういう問題ではない。 案の定、小股が切れあがりすぎである。股の部分が私の臍ぐらいに来ている。 これでは足が長すぎると思うぞ。

ということで、あれは本物ではないと確認できた。

って、もしかして私が短足なだけ?


00.12.15,Fri 「忘年会に出席してみる。」

会社の部の忘年会。

あまり飲まずに、他のグループの人達と盛り上がった。

今年は時が経つのが異様に早かった。

何が起きたかを忘れる努力なんて必要ない。

もう覚えていないのだから。

こうして僕の時間は年々加速していく。


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Last modified: Sat Oct 27 22:04:23 LDT 2001
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