01.05.01,Tue | 街の色に気づいてみる。 |
01.05.02,Wed | 番号札を取ってみる。 |
01.05.05,Sat | もうちょっと観光してみる。 |
01.05.06,Sun | 飛んでみる。 |
01.05.09,Wed | ちょっと疲れてみる。 |
01.05.10,Thu | ルート15号を南に向かって走ってみる。 |
01.05.11,Fri | ブライスキャニオンをみる。 |
01.05.12,Sat | ストックホルムに帰ってみる。 |
01.05.13,Sun | Palm m505を発見してみる。 |
01.05.17,Thu | スイカを食してみる。 |
01.05.23,Wed | 獣道を歩いてみる。 |
01.05.27,Sun | 引っ越してみる。 |
そういえば、日本ではゴールデンウィークまっただ中な筈なのである。
ゴールデンウィーク。
何とも甘美な響きである。実にうらやましい。 せめてゴールデンウィークを味わってからこっちに来れば良かったと 地団駄を踏んでもどうにもならない。 もっとも、こちらもメイデイでお休みであることがせめてもの救いである。
かといって、特に何もやることがあるわけでもない。 そもそも荷物も何も届いていないし、 このアパートはとにかくバスルームが臭いのである。 と言うわけで、家を出て少々観光をしてみることにしたのだ。
そもそもストックホルムは一般的な観光客に受けるような街では無い。 毎年ノーベル賞授賞式が執り行われる市庁を見て、ガムラ・スタンを歩けば、 市内のガイドブックに載っているような観光名所はほぼ見たことになってしまう。 とすると、市庁は、遠い将来、 自分がノーベル賞をもらうときに見ることができると考えれば、 今日の目的地は、ガムラ・スタン(Gamla Stan旧市街)が妥当な線であろう。 って、一つ前の文で何だかとんでもないことを言ったような気もするが、 決して気にしてはならない。
この街を歩いていて、ひとつ気づいたこと。 街全体が全体的にオレンジ色なのである。
やはり建物が黄色やオレンジ色がかっているのは、冬が寒い所為に せめて建物だけでも暖色系でまとめようかと言う魂胆か。 半年後にくる冬が末恐ろしくなってくるのである。
スウェーデンという国は、何につけてもID番号を重要視する国である。
ID番号がないと電話を引くのも銀行口座を開くのも、 面倒な手続きが必要となってしまう場合がある。 と言うわけで、朝一で日本大使館に在留届を出し、 その後、住民登録をしに税務署(Skattehuset)に行ったのだ。
というのも、住民登録をしなければID番号が貰えない。 しかも、ID番号を貰う条件に「滞在期間が1年以上」というのがある。 何かといろいろと面倒な国なのだ。合理的な人種が作る福祉国家というのは、 こんなものなのかもしれないが。
「合理的」といえば、この国の店には必ずと言っていいほど、 番号札発券機が入り口に付いている。日本でも、 銀行の入り口に置いてあるから、それを想像して貰えればいい。 つまり、ボタンを押してベロっと出てきた番号札を取り、 自分の札と同じ表示が出てくるまで、じっと待つと言うシステムである。 どんなに急いでいても、番号札を取らなければ相手にして貰えない。
かといって、 食器屋で同じシステムを採用しなくても良いようなものかと思うのだ。
極東の島国では「子供の日」の様だが、 ストックホルムはありきたりの土曜日である。 特にすることもなく、天気も良いので街を少々観光することにしたのだ。
今日はガムラスタンの近くの中洲にあるストックホルム中世博物館を訪れた。 入館してから気づいたのだが、 ほぼ全ての表示が意味の分からないスウェーデン語である。 50kr(約600円)もとられたことを考えると激しい怒りがこみあげて来たが、 まぁ、ここは大人になろうではないかと自分に言い聞かせたのだ。
じっくり見ていると、ストックホルムは漁村から始まり、 ガムラスタン(旧市街)を中心に段々発達して来たと言うのが分かる。 何故か、ストックホルムの汚物排泄物の歴史という展示もあり、 窓から川に向けてお尻を出して排泄している人の絵などが展示されており興味深い。 などと書くと、排泄という行為などに興味を持つ自分の幼稚さ加減に つくづく嫌気がさすのだ。って、もともと、私は幼稚なんだけどね。
手元の『個人旅行』に依ると、この水に囲まれた美しい街は 「北欧のベニス」などと呼ばれているらしい。 太陽の下で照らされた様子見ると、 写真やテレビで見るベニスとは明らかに違った美しさがある。 この形容では、なんとなくストックホルムに失礼な気がする。
ということで、個人的には、 これからベニスのことを「南欧のストックホルム」と呼ぶのだ。
って、それも違う気がするけど。
なぜか飛行機に乗っているのだ。
つい10日前に東京からストックホルムに到着したばかりだというのに、 何故かスカンジナビア航空シカゴ行きの飛行機に乗っているのだ。 これでは時差ボケが直る暇すらない。
というのも、米国はソルトレイクシティで私の所属している学会の 国際会議が開催されるのである。連名の論文なのだが、 まがりなりにも名前を連ねているのでお手伝いをしなければならないのだ。
ちなみに、御主人様(仮名)も一緒である。彼女は英語があまり上手ではない。 しかも今住んでいるところは少々郊外であるため、ますます英語が通じない。 そんな環境で電話も付いていない家に一人で1週間も置いておくのは、 いくらなんでもイカガなものかと思うのだ。彼女の分の切符は直前に買ったので、 かなりの出費になってしまったが致し方あるまい。いてて。
ソルトレイクシティのホテルに着いたのが、 ストックホルムの自宅を出てから、18時間後である。 眠いのか眠くないのかはよく分からないが、 めちゃくちゃく疲れていることだけは確かなのだ。
ぐぅ。
国際会議も3日目ともなると、ちょっとダレてきてしまうのだ。
相変わらず御主人様(仮名)は、 慣れぬ英語を操りながら一人で観光をしているようである。 ただ、基本的にソルトレイクシティはモルモン教の総本山 (と言う言葉が適切かどうかはともかく)であるので、 うっかりして寺院の周りをふらふらしていると、 シスターやらブラザーやらに捕まって、 話を聞かされる羽目になってしまい、 観光どころでなくなってしまうらしい。 彼女なりに苦労しているというか。
しかし、朝から晩まで学会に出席していると疲れる。 せっかく遠くまでやってきたのだから少しは観光してみたいし。
ということで、 何故かレンタカーなんぞに乗って南に向かってひた走っているのである。
えーと、ここは米国である。「北欧でもがまんしましょう。」 なんてタイトルが付いている割に、米国のど真ん中のユタ州である。 傷だらけの銀色のカローラで時速70マイル。
ちなみに、日本で乗っていた車は、 カローラファミリーのスプリンターカリブだったのだが、 このカローラといのは恐るべき車種である。 国内でも総生産および販売台数が不動の1位だったりするのだ。 実はこれには種明かしがあって、コンパクトセダンのカローラだけでなく、 スパシオやなどの同型のシャーシを使っている車種やら、 営業用のバンまで含んでいるのだから、当たり前の気もするのだが。
しかし、面白いのはアメリカのカローラは何となくアメリカナイズされて、 どことなくFord的な顔つきをしているし、 逆にヨーロッパで見るカローラはほぼ全部が丸目で非常にヨーロピアンである。 しかもシャーシは全世界共通なのだから、やはり恐るべき車なのかもしれない。
目的地はユタ州南部にあるBryce Canyonである。 せっかく遠路はるばる地球を2/3周もして来たアメリカである。 少しぐらいは観光しておきたい。同行した御主人様(仮名)の飛行機代も 馬鹿にならない値段だったし。無駄遣いが好きな割に、 大金が絡むと急にケチ根性がむくむくとわき上がってきてしまう ところが実に小市民というか。
っていうか、レンタカー代とかを考えると、 逆にもっと金がかかってる気がするのだ。
ルート15号の脇のモーテルで目が覚めた。
そう。昨晩は深夜0時になる前にルート15号を降りて、 目の前にあったモーテルに泊まったのだ。アメリカの良いところは、 モーテルに予約なしでひょいと入れることであろう。しかも、 意外ときれいな場所なのに、一人35ドル程度で泊まれてしまうのだ。 えーと、基本的に私は貧乏性なので、こいういう小さいことに、 大きな喜びを見出してしまうのだが、あまり気にしないで頂きたい。
とにかく、出発である。ブライスキャニオン(Bryce Canyon)と ザイオンキャニオン(Xion Canyon)を回らなければならない。 しかも、明日の朝の便の飛行機で出発するので、 今夜までにはソルトレイクシティに戻っていなければならない。 ちなみに、ソルトレイクシティとブライスキャニオン間の距離は、 約300マイルである。ちょうど550kmといったところか。
って、良く考えてみると、東京と名古屋間を車で日帰り旅行しているのと ほぼ同じである。冷静になって考えてみると、 何だか無茶をしているような気がするのだ。案の定、 ブライスキャニオンを観て時間切れとなってしまった。
でも、行って良かったと思えたから、良しとするのだ。
昨日のうちに無事にソルトレイクシティにつき、 10:10発の飛行機に乗ったのだ。 経路は往路と同じシカゴ経由ストックホルム行きである。
良く考えてみれば、このままサンフランシスコ経由で成田行きの飛行機に乗れば、 晴れて『世界一周飛行機旅行達成』という風になるわけだが、 そうは問屋が卸す訳がない。ストックホルムに帰らなければならないのだ。 すべての表示やアナウンスがスウェーデン語の国に戻らなければならないのだ。 さらば英語の国よ。
シカゴからは往路と同じSASである。 職場のM谷さんの話によると、大西洋航路は航空会社同士の競争が激しいらしく、 どこのエアラインも若くて綺麗な客室乗務員が乗っているという話だったが、 行きも帰りもどちらかと言うと「おっかさん」と言う言葉がぴったりの 恰幅のよろしい女性ばかりであった。ちょっとがっかり。 大西洋航路と言っても北米と北欧間の間はさほど需要がないということか。
とは言え、SASのサービスが悪いという訳ではない。むしろ、 何故か引きつった笑いを浮かべる客室乗務員の多い某日本の航空会社よりは 遥かに良いような気がする。食事もまあまあである。 普通なら、狭い座席の中でアクロバットの様な状態で フォークとナイフを操のが嫌になって食事を途中で止めてしまいたくなるが、 最後まで食べたいと思わせるような食事である。
地球の自転に反して飛ぶので、私にとっての5/12というのはわずか13時間程。 かなり損した気分である。
アーランダ空港で吐き出された荷物を抱え、 ストックホルム市内に向けて空港バスに乗ったのだ。 ただでさえ合計13時間のフライトで疲労はピークに達しているのに、 天気は曇である。5月も半ばと言うのに、相変わらず気温は低くて10度程。
と、なんとか家にたどり着いて荷物を開けて仰天。何故、 こんな箱が私の荷物の中に!
「仕方がないから使ってみるか」などとつぶやいたら、 後ろから頭を御主人様(仮名)に殴られたのだ。
大学から帰宅すると、御主人様(仮名)がにこにこしていたのだ。
彼女の機嫌が良いというのはいずれにしても良いことである。 そして夕食後に出てきたのはこれ。
美味しいから良いんだけど。
我々が現在住むアパートはストックホルム南部の郊外に位置する。 駅からはさほど遠くはなく、地図上で見れば直線距離にしてわずか400m程である。 ただし、これは直線距離の話。
というのも、駅から直線的に歩こうとすると、 丘を一つ越え谷を一つ越える必要があるのだ。 と言うわけで、この丘と谷を避ける形で遠回りの舗装路があるのだ。 だが、その道を歩こうとするとかなり時間がかかってしまう。
もっとも、「谷」と言っても15mぐらいの高低差なのだが そこを通る道は舗装されておらず、まるで獣道のようなのである。
仕事が遅くなり、会社でそろそろ帰ろうかなと思って帰る準備をしていたら、 携帯が鳴ったのだ。御主人様(仮名)である。
「もしもし、生きてる?」
いや、いろいろと新しい職場に慣れるのも大変ではあるが、死ぬほどではない。
「いや、なんか頭から血流してそこらで死んでんじゃないかと思って。」
ごもっとも。
市内に引っ越してみたのだ。
現在住んでいるところは治安がさほど良くなく、また市内からも遠いため、 御主人様(仮名)が日中一人で過ごすのには少々不安がある。 というわけで、前から市内のアパートを探していたのだが、 程良い条件の綺麗な物件がようやく見つかったという次第なのである。
引っ越しにはレンタカーを借りれば何とかなると思っていたのだが、 今週末は3連休な所為か、あいにくどこの会社も車が出払っていた。 しかたがないので、タクシー会社に電話をかけ、 なるべく大きな車をよこすようにお願いする。そう。 タクシーで引っ越すのだ。まだ船便なども着いていないので、荷物はさほど量はない。
午前中に決心して荷物をまとめ始め、 1往復半で全ての引っ越しを終了。料金はしめて6,000円ほどである。 レンタカーを借りて、給油してまた返しに行く手間を考えると、 とんとんかもしれない。
とりあえず、綺麗なアパートに引っ越せて満足なのだ。