Last modified: Sat May 22 20:10:30 JST 2004

『コビの部屋』

[コビの写真 (JPEG, 20074 bytes)]
工事中です

あたしは内村家の女主人、雑種ネコのコビ。 家来のまり子にどうしてもプログラムの原稿をと頼まれたので、 書いてやったのが始まりだニャ。 もっと私を見たい人は、 私のページにきてくれると嬉しいにゃ。

目次


『古楽器について』

<「後期バロック音楽の愉しみ」のプログラム掲載>

さて、今回は皆さんには楽器の話をいたしましょう。 今日の演奏会で使用される楽器は「古楽器」と呼ばれるもので、 通常のクラシック音楽で使用されるモダン楽器の祖先にあたる楽器です。

バロックヴァイオリンは楽器を鎖骨に乗せるだけなので、 慣れないと楽器を落としたりするらしい。 弓もまさしく「弓型」に外側に膨らんでいます。 この楽器の弦には通常「ガット弦」と呼ばれる羊の腸を撚ったものを使うので、 金属弦に比べ遥かに音程が狂いやすいし、ばしばし切れるみたいだニャ。 ちなみに、あたしはその切れた弦の先を鼻先でフリフリされると、 思わず飛びかかってしまうんだニャ。

バロックチェロには、 楽器を支えるためのエンドピンと呼ばれる金属製の棒の支えはニャい (当時は発明されてなかった)。 足で抱える様に挟んで支えるのみなので意外と足に負担がかかり、 あたしの憶測ですがガニマタになりやすいのではニャいかな。 確かに構えるのは辛いけど、楽器が固定されていない分、 音楽のノリに合わせて体と楽器が一体になれるって、 演奏している当人は言ってたニャ。

バロックフルート(またはフラウト・トラヴェルソ)は木製で、 歌口を含む8つの穴が単に空いていてキーは1つしかニャい。 そのため、♯や♭のたくさんついた楽譜が演奏しにくいし、 音程もとりにくいと当人はいつも言い訳してます。 本当は当人が下手なだけだと思うんだけどニャ。

チェンバロは、金属製の弦を鳥の羽の芯で弾いて音を出す機構になっていて、 弾く強さの加減ができないため、一般のピアノのように強弱がつかニャい。 弦には金属を引き延ばしただけの針金の様なものを使うため、 これまた狂いやすくて、当人は家でいつも延々と調律してばっかりしています。

(日和崎)


『リコーダーについて』

<1999.1.5>

リコーダーと言うのはいろいろ難しい楽器だそうです。まずサマになりません。 特に吹いている時の顔が、サマにならニャいと思います。 私が観察する限り、人間と言う生き物は、 よく驚いたときに口が半開きになることが多いのですが、 その状態の口にたまたま笛が挟まっていたというのが、 演奏中の奏者の顔つきに近いと思います。

ま、余談はサテオキ、 実はリコーダーは17世紀から18世紀にかけて非常に流行った楽器のようです。 当時は、ただ単に「フルート」と言えばリコーダーのことを指したぐらいで、 現状のフルートはわざわざ『横』笛と言ってやらなければなりませんでした。

材料は現在のようにプラスチックがあった訳ではありませんから、 黄楊、黒檀や楓などの固い材木や象牙で作られました。 こう言った材料を旋盤で回しながら外側を削り、 中はリーマーと呼ばれる工具で刳り貫くという手間のかかる作業で一本一本 作られていました。 また、一般的に小学校で演奏するリコーダーはC管のソプラノですが、 当時最も演奏される機会が多かったのはF管のアルトで、 テレマンやヘンデルは大変上手にこの楽器を演奏したと伝えられています。

しかし、そんなリコーダーにも衰退の時期がきます。徐々に18世紀頃から、音 色や音量の変化がつけにくいこの楽器は、 より豊かな表現力を持つようになって来た フルート(横笛)に取って変わられるようにニャッたという訳です。 聴衆の数も増えて、より多くの音量が要求されるようになってから、 その優位性は決定的となりました。 実はフルートも昔はそんなに音量が大きかった訳ではないのですが、 それはまた別の機会にお話しましょう。

(日和崎)


『チェンバロについて』

<1999.2.22>

チェンバロは今のピアノの前身となる鍵盤楽器で、 ハ−プシコ−ド(英)クラヴサン(仏)クラヴィチェンバロ(伊)等という 呼び方もあるのだニャ。

16世紀はじめにイタリアで作られた物が、現存する最古の楽器で、 この楽器が最も繁栄していたのは17,18世紀のバロック時代! ドイツのJ.Sバッハの時代、 フランスのベルサイユ宮殿における華やかな時代を想像していただけるとよいニャ−。

いろんな形のチェンバロが実はありますが、多くのチェンバロは、 グランドピアノを華奢にしたような形。 スチ−ル、又は真鍮の弦が張られていて、鍵盤を指で押すことによって、 鍵盤に連動する爪(鳥の羽、又はプラスチックで作られている)が、 弦を押し上げ、かき鳴らすことによって音をはじき出すのだニャンニャン! 1段、2段鍵盤の楽器があり、 ひとつの音に2,3本の弦が張られていて奏者がそれを選ぶことが出来ます。

一般的には音色の変化がない楽器と言われていますが(悲しいニャ−)使う弦の選択、 また微妙な奏法によって、実は色々変化にも富む楽器です。 楽譜にかかれていない音を奏者が付け足して弾くことでボリュ−ムを出したり、 奏者の発想に自由な部分を残してくれている時代の楽しい楽器です。 (ほんとにほんとにニャ)

でも、やっぱり、より変化を好む時代の波と共に、 ピアノの時代へと移り変わってゆきます。

(内村)


『バロックヴァイオリンについて』[New!]

<1999.7.21>

ヴァイオリンは元々はみんなヴァロックヴァイオリンだったんだニャ。 一般的には18世紀後半までに作られた楽器をバロックヴァイオリン、 それ以降に作られたもので、 もっと大きな音や鋭い音を出せるようにするために、 表板の内側についている力木を太くて長いものにしたり、 竿の部分を長くして弦の張力を高めたり、 弦自体を金属で巻いて強化したりして進化してきた楽器を モダンヴァイオリンと言うのだニャ。 つまり、ストラディヴァリもガルネリも元々はバロックヴァイオリンで、 後世の人がいろいろ改造してモダン仕様にして、現在は使われているわけニャ。

では、ヴァロックヴァイオリンの特徴はというと、まず、 楽器本体の弦に生ガット(羊の腸を乾燥させてただ撚ったもの)を使っていることで、 金属が巻いてあるのより、 こっちの方が音量はないけど音色に幅がある弦なんだニャ。 それに、ネック(竿の部分)がモダンヴァイオリンより1センチほど短かいとか、 指板も全部黒檀だと重いので表面だけ張って、他はもっと軽い素材にするなど、 全体的に楽器の重量を減らしいるみたいだニャ。 もちろん、肩当てや顎当てといった補助的な器具は音が重くなるので、 できるだけ楽器につけニャイらしい。

弓も、だんだんと張力を高めるために進化してきたのだけれども、 横田の使っているのはモダンのもののように内側に反っていなくて、 毛を張るとほんの少し外側に反るような感じ。 なんでもタルティーニ(1740年ぐらい?)という作曲家兼ヴァイオリン弾きが 使っていたモデルのコピーとのこと。 弓先もなんだか新幹線の「のぞみ」の先頭車両みたいに流線型で、 ちょっとセクシーなのニャァ。

(横田)


『バロックオーボエについて』[New!]

<2003.6.28>

ゲストが演奏しているオーボエという楽器について説明しようかしら。 このオーボエという楽器は、 2枚の薄い葦を張り合わせた「リード」に息を吹き込むことによって 振動させて音を出すのだにゃ。同じ機構で音を出す楽器は、 他に「ファゴット」や「ひちりき」、 それに身近な所では「チャルメラ」なんてのも挙げられます。 もちろん今日演奏される楽器は「古楽器」にゃので、 普段オーケストラなどでよく見るオーボエの祖先にあたる、 バロックオーボエというわけなのだにゃ。 だからキーの数も現代の楽器よりも少なくて、 どちらかというとリコーダーのように管に空いた穴を指で直接押える感じなの。 木管楽器だけど大きな音が出る楽器なので、 バロックの時代はトランペットみたいに屋外でも演奏されていたみたい。


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